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六十六夜 第59夜 「戦争」

written by overQ
October 13, 2004

うちのパソコンのファイルは、ほとんどゴミ屋敷状態。
どこに何があるやら、てんでわかりません( ;´Д`)
ハードディスクが大容量化したせいで、ますます広大・複雑化するゴミ屋敷。
助けに来てくれ、ふかわりょう。

DVDに焼くことで、見かけ上の整理はできるのですが、焼いたDVDのどこに何が入っているかはわからないまま。ブラックDVDが増えていくだけ…

同じ本を二冊買うと、老いを感じるものですが、パソコン内にはいったいどれほどの重複ファイルがあるものやら。
そして、存在するはずなのに、どうしても見つからないファイル。
まあ、どうでもいいようなものといえば、そうなんですが。
中田英寿と宮沢りえのキス写真、四五枚は持ってるはずなんですが、探すといつもなくて、結局ネットで見つけて、また一枚増える、ことの繰り返し…。

今宵の六十六夜は、「戦争」。わりと前に書いたやつを、今朝、発掘いたしました…。

戦争
戦争

戦争が長引いた。
ために前線では
幾世代も経過した。
砦は街となり
やがて戦場が
彼らの国家
故郷となった。

逃亡流散も相次いだ。
しかし戦争が拡大しすぎた。
どこに逃げようと
もはや戦場でない場所はない。
戦士の宿命から
逃れるすべはなかった。



国境はあいまいとなり
守備と侵略は同義語となって
主義も宗派も千路に乱れ
内部分裂と野合は日々の馴れ合い。
国家・民族・親子・恋人
もう何を愛せばよいかもわからない。
友愛を示す行為が
いつの間にか裏切りに変わる。

ともあれ敵味方の区別は
行き着く先々
現場の司令官から指示される。
ずっと昔、遠い中央から
発せられた命令が
さまざまに伝聞され
それぞれの好都合で加工されて
意味の読み取れぬ慣習と化した。
崩壊したバベルの塔の下
やりとりされたごとき
混乱した指示であり
前線兵士は困惑を普段着とした。
敵の姿など皆目見当たらぬ荒野へ
砲火を放ちつつ
幾年も前進を続けることもあった。
数日前殺しあったもの同士が
今は同じ塹壕で
ひとつ釜の飯を喰らい
新たな見知らぬ敵と
死闘を繰り広げる。

戦争の悲劇と喜劇は
ごたまぜになって倦むことなく
同工異曲を編み出し続けた。
もはや生きとし生けるもの
戦争以外の生を知らず
戦争の喜びや悲しみが
そのまま人生の
悲喜こもごもとなった。

戦争が終わった
と告げられたとき
人々は驚いた。
泣き出したり笑い出したり
狂って子供を殺したりするものもあった。
しかし大半は
その意味を理解しきれず
ただ驚いたふりをしていた。
心はなかったが
ここは驚く場面のはずと
命令に忠実な戦士の気性を発揮して
驚嘆の仮面を装った。

そのうち噂が広まった。
戦争ははるか昔に終わっていたと。
やがて噂は姿を変えた。
すなわちはじめから
戦争などなかったと。
実際、戦争が終わる前と後で
人々の生活には
何ひとつちがいがなかった。
今では歴史書を紐解いてみても
戦争については
ほとんど語られていない。
忘れることでうまくいくなら
いっそ戦争のことなど
忘れたほうがましだろう。

戦争をなかったことにする
便宜上の好都合に人々が気づき
これを利用し始めた途端
時の声がして再び戦争が始まる。




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