AZ::Blog はんなりと、あずき色☆: サイド6−ガンダム大人読み・その1

サイド6−ガンダム大人読み・その1

written by overQ
August 9, 2004
おぼえているかい、少年の日のことを…
以前、「肩までまったり。」のne_sanさんがエントリーされた、「ゴダール食堂」。ゴダール食堂というレストランで、ne_sanさんがお食事されたときの記事。モブログなのかな。すごくいっぱいコメントもついてます。ゴダール食堂には何か特別な集客力があるような気がします。

私もコメント書きました。
ゴダール食堂は、ふだんはぜったい出会わないものどうしが出会う場所だと。
ブッシュとオサマが会談しても、和解が成立するかもしれない場所だと。
それは、カフカにも共通する、もうひとつの地政学だと。
立場もジャンルも次元もかけはなれたものが、つどう場所。夢とうつつのはざま、夜明けと夜闇のはざま、海と大地のはざまに存在する場所。

   +

coverさて、前のエントリーで、ガンダムのこと書きました。
すごく懐かしかった。思い出していくうち、心は、アムロとララァがはじめて出会う場所に向かいました。ビデオ見直しました(w

サイド6

ジオンと連邦が戦う世界で、数少ない中立地帯。金と政治力で維持された奇跡的平和。平和が取り残された場所。

ここでは、さまざまな出会いが繰り広げられます。
異常なほどの出会い、ふだんはけっして出会わないものどうしの出会い
…今日はちずちゃんも久々にエントリーしてるんで、アニメの話題だ!二連続ガンダム!

さて、サイド6。
アムロの三つの出会いの場所。六道の辻。

シャアとアムロひとつ目は、アムロの最大の敵である、シャア・アズナブルとの出会い。
クルマがぬかるみにはまって困っているアムロを、シャアが助けてくれます。
ありえない出会い。しかし、平和時なら、これが、本当の二人の関係であったかもしれない出会い。

ふたつ目は、死んだと思っていた父との出会い。
アムロの父は、ガンダムの設計者。でも、最初のガンダムの起動で、戦闘に巻き込まれ死んだと思われていた。その戦闘をおこなったのは、アムロ自身。すでにアムロは、自覚のないまま、父殺しをおこなっています。

アムロが父を発見するシーンがどれほど神秘的で美しいか。

アムロと父父はきっと本当はすでに死んでいるのではないか。
激戦のさなかに存在し得ないはずの中立地帯、サイド6に来たアムロたち。平和な町で買い物を楽しみます。その途中、アムロはふと書店で本を読んでいる中年の男に目を留める。父かもしれない。
仲間を置いて、アムロは一人、その男の後ろ姿を追う。追いかける。
苦労してようやくたどり着いてみると、それは場末の町工場。アムロに再開した父は、何の感動もなく、当たり前のことのようにアムロを迎える。
そして、ガンダムを最強にする新しいメカを開発したと自慢します。
アムロの父は、酸素欠乏症で頭がおかしくなっていたのです。開発したと称するメカは、ただのガラクタ。
父からそのガラクタをゆだねられ、戦場にもどれといわれるアムロ。
一人になった瞬間、ガラクタを地面に叩きつけるアムロ。
父殺し。

白鳥そして、三つ目の出会い。
ララァとの出会い。アムロが人生で出会った、たったひとりの本当の恋人。最強の敵。ニュータイプ。
ほんの短いシーンです。
年老いて堕ちる白鳥。それを眺める少女。
雨。
宇宙空間におかれたスペースコロニーですが、雨も降る。
夢の中のようなシーン。
というより、夢の中。
ありえないものが出会う。敵と味方。死んだ肉親。心から愛しい人

アムロ「あの鳥のこと…好きだったんですか?」
ララァ「美しいものが嫌いな人がいて?
それが年老いて死んでいくのを見るのは、悲しいことじゃなくて?」
アムロ「そりゃあそうです、そうだけど、僕のききたいことは…」
ララァ「(雨が)やんだわ…うふふ…きれいな目をしているのね」

アムロとララァは、運命付けれらたふたり。しかし、戦場の現実は、神様の予定さえ破壊してしまう。
ひとつにならなければならない二人の出会いは、実質的にはこれっきりなんです。あとは、敵同士として、あるいはシャアという盾を介してしか、出会うことができない。
そして、やがて戦闘の中で、アムロがララァを殺害する。自分自身を殺すよりも過酷な運命。
しかも、ララァは、シャアを守るため、自分を犠牲にするんです。
ニュータイプは心が完全に一致するので、そもそも戦争という概念が存在できないはずなのに。
シャアが介在することで、純愛は悲劇に変わる。
すごいストーリーです。お世辞にも巧いとはいえないアニメーション技術ですが、ギリギリ押さえるべきところは押さえています。すごいシーンの連続です。表現というのはこれで必要十分ではないか。

サイド6という、異常な地政学の支配する空間を、物語の要として不意に描く。漱石が「明暗」で最後に描いた温泉宿と同じ空間です。そっと垣間見られる、世界のあるべき姿。しかし、けっして実現しないもの。
…笑わば笑えw 今回は決死でエントリーしております。

まだまだ、これだけではないんのです。
もうひとつ、別な恋愛模様が描かれる。
ミライと、カムラン・スレッガー・ブライトの四角関係。説明するのはあまりにも背景が煩雑なので、別な機会に譲りますが。

というより、たった三十分ほどの話で、なぜにこれほど背景が膨大で、いくらでも深読みが効くストーリーが作りれたんでしょう。
必ずしも、富野由悠季ら作り手が、意識して作ったことではないと思えます。
でも、そう深読みすることが可能だし、またそう読めばより面白く、つじつまも合う。作り手たちの無意識の産物。

大人になってから「読む」ガンダムという作品の魅力はここにあるんじゃないか。
商品として流通することとはまったく別な問題かもしれませんが。

…てな具合に、ちょいとガンダムを深読んでみました。
ガンダム大人読み。
これからも何回か断続的に続けていきたいと思ってます。イデオンやターンAも取り上げてみたい。
ネット上でガンダム情報は氾濫しておりますが、少し違った視点を提供できるかもしれません。そうできればいいなぁと思いながら。

ガンダムって、あまりにロボットアニメ。商品として人気ですぎてるのもなんだし。
流通しているイメージのせいで、かえってその本質が見逃されてるかもしれない。
でも、やっぱり、深く読めるようにできてる。富野さんがどんな意図を込めて作っていようが、それよりも深いガンダムが存在する(w 富野さんの無意識の中に本当のガンダムが存在する。
そう考えています。



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コメント

こんばんは。
ご紹介&TBどうもありがとうございます。
ガンダム放映時はあまり乗れなかった私ですが、
「オトナ読み」、面白いですね。

大学で国語学の先生が「ブライトさん」って言う呼び方は、妙なのだ、と力説なさってたのをふと思い出しました。
何で妙だったのかは忘れました。
何でだったかなぁ。
そのときは納得したのでしたけれども…
たぶん、下の名前は呼び捨てにするならする、
さん付けにするなら、苗字のほうにつける、
下の名前にさん付けってのは、上司に対するのとは別の意味がこもっている…みたいなことだったかな?
これもオトナ読み?

ところで、ゴダール食堂。
相変わらず盛況です。
お兄さんがイケメンということもあり(笑)
土曜日の昼下がりなど店に入る隙間がありません。
がらんとした時間帯もあるのですがね。

Posted by: Site icon ne_san : August 9, 2004 11:57 PM

ne_sanさん。ガンダムにつき合わせちゃって、申し訳ない!

いやあ。うちのいとこや親戚にはオタの方がいっぱいいまして、葬式や結婚式ではアニメの話ばっかりなんですw
それはもう美しいファミリー・リゼンブランスなんですが、私は微妙にずれてる。
メカも美少女もやおいも、ちょっと苦手なんですよね。でも、アニメはすごく好きで、まあまあ見てるんですが。
アニメやマンガの読み方もなんかちがってます。でも、私の読み方を話すと、親戚一同、けっこうちゃんと聞いてくれるんで、たぶんこの読み方はイケルのではないかと。

>「ブライトさん」って言う呼び方は、妙なのだ
作者の富野由悠季って人はたぶん何にも考えず、本能の命じるままに作ってると思います。
表面的にはつじつま合わないけど、深いところではすべてが完璧に一致しますw
きっとシェークスピアとかディケンズも、このタイプだったんじゃないでしょうかねぇ。
後の時代の人がむやみやたらに深読みしちゃうんです。また、それができちゃうところが不思議です。

ゴダール食堂、いってみたいなぁ。
でも、きっと近いうち、何らかの形でむこうからやってきて、行くことになるだろうと予感しております(妄

Posted by: Site icon overQ : August 10, 2004 12:27 AM

overQさん、再びこんばんわ。
ゴダール食堂でのおすすめは、夜はエビスの黒生と、アラカルトのプレートです。
広島にお越しの際は、ぜひ。

Posted by: Site icon ne_san : August 10, 2004 11:00 PM

ちょっとメモっときます..._〆(゚▽゚*)
広島に行ったときは必ずゴダール食堂。
友達にも推奨しときます。。

Posted by: Site icon overQ : August 11, 2004 8:15 PM
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