今日は、六十六夜のこれまでの作品を読んでみました。だめだなぁとか、これは意外といけるのでは、とか思いながら。
時がたつと、書いたばかりのときとは、まったくちがうふうに読めるものだとも思いました。
それと、50話も書いてくると、自覚のない関連性が、内側で生まれてることも発見。
今夜の「塔の中の姫」は、以前書いた「34歳」と、とても似ている。
書いてるときは全然意識してないのですが、そっくりです。
また、微妙に違うのですが、書いてる当人にとっては、このわずかなちがいが重要に感じられます。
しかし、それはたぶん作品の出来不出来とは、別な問題なのかもしれません。
塔の中の姫36になった。
これまでずっと
塔に閉じ込められていた。
竜にさらわれ幽閉されたのだ。
助けが来るのをずっと待っていた。
王子はついに現れなかった。もう姫でもあるまい。
36になった。
鏡を見るのも億劫だ。
しばらく前から門番も消え
扉の鍵も開いたまま。
逃げようと思えば
いつでも逃げ出せる。
見張りの巨人たちの姿もない。
人質としての価値を見限られた。
誰も私から興味を失った。
潮時もいいところ。
待つことは止め
自分の足で、外へ。
塔の螺旋階段を降りながら
何かを呪いそうになる気持ちが
抑えきれない。
こぶしを何度も壁に叩きつけ
手が血まみれになった。
なかば廃墟と化した陣地を抜ける。
荒野へとうちつづく道。
ひとり、とぼとぼと歩いた。
歩きつづけた。ところどころ、白骨化した戦士の遺骸。
竜に殺された王子たちだろうか。
そういうことにしておこう。
どの王子も竜を打ちのめすに足る力と
情熱を欠いていた。
その程度の王子たちだ。
しかし、とふいに弱気になる。
姫の魅力がとぼしくて
王子たちから力と
情熱を引き出せなかったのではないか。
塔に戻ろうか。
いつか王子様が助けに来てくれる。
その狂信を胸に
いつまでもいつまでも待ち続け
塔の中で朽ち果てる。
そんな自閉の生涯には
敗者の甘き陶酔がないだろうか。
残された唯一の幸福の方法。しかし、歩きつづけた。
もう王子はけっしてやって来ない。
外の世界で生きつづけても
それは同じこと。
道はどこへも通じてはいない。
それでもサイの角のように
独り歩きつづける。
垂直だった世界は水平となり
物語は求心せず
どこまでもどこまでも
そのエントロピーを拡散していく。
目的は失われ
ただ存在だけが残された。
生きるとはそういうことだと
はじめから知っていた。
36になった。
このお話は、是非overQさん、続編を書いてくださりませ!
36歳は、まだまだ女ざかりです!
少女です♪
お姫さまざかりです♪♪
ぷんぷん(笑)
王子様はまだまだきっとやってきます!
でも、いっそのこと王子様を待つのなんてやめて、お姫様株式会社なんて作ってみては如何でしょう?(笑)
>もう姫でもあるまい。
アイタタタ(笑)
この文章が一番、ずしんと来ました。
私の場合、次から次へと王子をなぎ倒し、「私を倒せる王子はいないのか!わはは」と
荒野をのし歩く姫なんですけどね(* ̄m ̄)プッ
友達に、このお話のまんまの子がいますよ。
ずっと20代前半の男じゃなくちゃイヤだといっていたんですが、
ようやく現実が見えてきたみたいで、最近、やたらと「男を紹介しろ」と
メールしてきます。
遅いっちゅうねん(笑)
「塔の中の姫」
少し前に見た、エイリアン3のリプリー(シガニー・ウィーバー)がカッチョよかったので、そのイメージで書きました(*^^)v
人生に目的も意味も見出せなくなった状況で、なお「ほこり dignity」や「品格 decency」を失わず生きようとするヒト。
迷いを鎖みたいに引きずりながら、でも最後には前を見据えて、一歩を踏み出すようなヒトは、女であれ男であれ、美しい。ホレてしまいます。
つづきも書いてみたいです。
変質してしまった童話の世界で生き抜いていく姫。
森は砂漠に、小人たちはずるい悪党に変わり果てている世界。
しかも、それは、ひょっとすると、「姫」が、ありきたりなハッピーエンドを拒絶したせいで起きた変化かもしれない…。
どうやって生き抜くのか。
王子だったものは、どんなものに変わってしまっているのか!
overQさん、こんばんわ。
ワルツさんのサロンで(って感じしてますもんで)、バリー・マンのことに反応してくださったので、ちょこっと覗きにやって参りました(笑)。
ぼくも以前は山下達郎の大ファンで、コンサートにも何度か行ったことがあります。しかし、もう10数年以上も前から新譜が出ても買いもしなくなり、いまでは「サンデイ・ソングブック」の一リスナーになり下がってしまいました。
実際、この人の喋りは面白いです。たしか、「人情紙風船」が好きなんですよね。あと、五代目志ん生も。
で、overQさんのこの詩なんですけど、ワルツさんやLINさんは「Someday My Prince Come」のノリで捕らえられたようで、とても楽しい感想でした。マイルスではなく、あくまでも、山下洋輔みたくフリーで演奏してほしいところかな。って、書いている本人も意味不明ですわ(笑)。」
姫にしろ王子にしろ小泉にしろ、必ず取り巻き連中がいますから、行動を起こすのも大変だ。
ゆえに、この詩は宮内庁の役人に囲まれ、ずっと塔に住むサーヤに捧げたい・・・
ところで、overQさんは、36才になられたのですか?リプリーもそれくらいだっけ?
しかし、Blogで書かれた内容をみていたら、もっとご年配の方だと(失礼!)思っていました。
36才なんて、まだまだトゥ・ヤングでございます。
のるぶさん、こんばんは。
お越しいただきアリガト!(´▽`)ございます。
そういや、タツローさんも山中貞雄好きなんですよね。
「人情紙風船」見て、打ちのめされたとか言われてたのを、のるぶさんの文章を読んで、思い出しました!
ときどき、山下達郎って、もし売れてなかったら、どうなってただろうと、考えることがあります(w
評論やプロデューサの仕事が増えていたと思うのですが、それは彼がミュージシャンになる以上に、日本のポピュラー音楽に影響を与えたかもしれない…と、タツローファンには怒られそうなことを考えてみたり。
達郎氏の音楽理解は正確かつ斬新。量的にもスゴいですよね。
萩原健太か誰かが、タツローに長時間インタビューして、音楽についての知見をすべて引き出して欲しい…(哀願
それと、タツローさん死んだら、あのレコードのコレクションはどうなるのでしょう…
一日に買うCD・レコードの量が、24時間を越えているため、もはやすべてを聴くことは物理的に無理だとか、言っておられましたが(笑泣
清原なつのさんの花図鑑の姫も
かなりシュールで楽しかったですが、
overQさんのリプリー姫もかっこいい!
ピアノレッスンの主人公も生き残るし・・
とかく、女はたくましい・・・
おはようございます。
しかし、また来るか台風。日本縦断なんて勘弁してくれ、そんなのはベンチャーズがやってくれるって。
高気圧ガールはもっと頑張ってくれないと困るよ、マジで。
>達郎氏の音楽理解は・・・
これは、以前「オールナイトニッポン」のパーソナリティをやっていた頃に、「誰にも負けないよう理論武装に励んだ・・」と言ってました。B型による一途さでしょうか(?
一度、渋谷陽一との対談を聞いていて、とっつかみ合いでもするんじゃないかと思いました(笑)っほんと、しょってるヤツだ、渋谷陽一って。
>それと、タツローさん、死んだら・・・
これは、ぼくも同じことを時々思ったりしたことがあります。そういえば、萩原さんも「手持ちのレコード聴いても、全人正で間に合わない」なんてこと書いていたので、思わず笑ってしまいました。
で、その文化遺産は娘にそのまま引き継ぐのか、それとも記念館みたくして保管するのか。ん〜、なんだかどちらでもない気がします。
ちなみに、きみ駒さんのBlogで取り上げられていた、野口久光さんのジャズのレコードは(ほぼ10000枚)、泣く子も黙る一関のジャズ喫茶「ベイシー」のもとへ。
ワルツさんのBlogで取り上げられていた、植草甚一さんのレコードはタモリ(大のジャズファンですからね)のもとへ贈与されたとか。
いずれにせよ、聴いてくれる人たちに貰ってもらうのがよろしいかも。
のるぶさん、ふたたびこんばんは。
台風真っ只中の京都から書いております。
そうか、野口さんや植草さんのコレクションは、そんなふうに伝承されてるんですねぇ。
そういや、大学や博物館、研究所など、公的機関では保護しないんでしょうか。
映画は、そのせいで、戦前のが全然残っておらず、大問題になってるのに、また同じ轍を踏むのか…
マンガはまさに今、大問題になりつつあると、講演で夏目房之介さんが叫んでおられました。
現代マンガ図書館という、私設のマンガ図書館が存亡の危機にあるらしいのです。
ここにしかないものが、大量に存在するようです。
http://www.naiki-collection.com/