暑いです。九月も下旬というのに、毎日、暑い。
ここ数日、昼間は街なかを猛スピードで歩く羽目なっており、連日汗だくです。
これは、ひょっとして、アレのせいではないか。
アレというのは、先日、「肩までまったり」で、ne_sanさんが、聴き合わせ・読み合わせ、という記事を書いておられました。
たいへん興味を覚えまして、わたくし、コメント欄にて、バッハ「マタイ受難曲」に合う書物としてサド「ソドム百二十日」を提案したところ、ne_sanさんから火あぶりの刑を宣告されました(^o^)
このところの暑さ、ひょっとして火あぶりを受けてるのではないか…緩慢に、分割払い方式で…断罪。
…と、こんな冒涜的なことを書いてたら、お叱りを受けてしまいそうですが、今宵の六十六夜も、あるいはかなり冒涜的。。
昇天するキリストというイコンがありますが、そのひとつの解釈かもしれません。
真理は、地上より高いのですが、はるか高みではなく、ほんの少し高いだけ。
つまづくか、蹴飛ばすかするしかない。つかもうとしても、ろくなことにはならない…
つながれたキリスト町長の家の庭には
再生したキリストがつながれていた。
再生してまさに
昇天しようとするキリストである。すでに翼が生え
頭上には光輪が浮かび
天に向けてからだも自然に浮上する。
だがその足には鉄の足かせがはめられ
重厚な鎖で大地に
しっかりつながれている。
二メートルほど上空で
ゆらゆらととどまるほかない。
子どもでも飛び上がれば
手が届くほどの高さ。
「こうして地上にとどめておく」
と町長は重々しく言うのだった。
「何年もこうやって
重力の重みというものを
教え込んでいく」
まるでもうすでに何人ものキリストを
つないできたかのような口ぶり。
「キリストの翼はなおも
天に昇ろうと巨大化する。
やがては町全体をおおうほどになり
世界を持ち上げて天界へおもむく」
そうして世界を天上に引き上げる。
町長のお手柄。
キリスト以上の存在として
尊敬を一身に浴びるという寸法。しかし自慢の再生したキリストは
つながれてすでに数ヶ月。
がりがりに痩せこけ
肌は青みどり色。
落ち窪んだ眼に光はなく
せっかくの羽根もボロボロで
いまも羽毛がちらほら抜け落ちる始末。
天までの道のりはるか。
町の行く末をこんなものに賭けて
果たしてどうなることやら。
町長の野望を果たすにも
あまりに回りくどすぎる。いっそまっとうに働いて
「地上に楽園を!」
とはいかぬものか。
しかし、そうは思うものの
つながれたキリストの存在が気になって
その淡い望みが頭から離れず
怠けの口実として
あらゆる場所で顔を出す。
さらにはこんな噂もある。
キリストを大地につないだのは
本当は村長ではなく
キリストみずから、そうしたらしい。
神の御心など
知れたものではない。
われわれをどこへ連れて行くつもりだか。
いちばん遠い存在ではなかったか。
ためしているのか、ためされているのか。
つながれてある、みすぼらしい彼の低さ
それこそがじつは天の高さであって
へりくだることをおしえつづけていると
解釈はしてみるものの
あまりに貧相で。置き去りにされ
忘れ去られ
百万年でもあの低さに浮かび続けるとしたら
それは人類には理解しえない
何かの皮肉であるのだろうか?
こんばんは。
正確には〔面白すぎで魔女裁判にかけられた後、火あぶり〕ですから。
マルケスの短編「大きな翼のある、ひどく年取った男」を連想しました。
『エレンディラ』所収の。
こういうテイストの話、好きですねえ。
Posted by:
ne_sanさん、こんばんは。
マルケスの翼のある老人、さっき読み直してみて気づいたんですが、これって、タマちゃんの話ですねw
やってきたときは大騒ぎしたくせに、だんだん慣れてしまい、日常の中で忘れ去られ、最後は去って行ったことも気づかない…。
老人天使は、カニの大発生という異常気象とともにやって来るのも、タマちゃんと共通してます。
それにしても、なぜ、天使が老人なのだろう?
ユングは、非常に美しい翼を持った老人の天使の絵を描いてます。その影響なのか。まあユングは、医者というより病人のほうに近い人ですがw
マルケスは、この短編集と予告された殺人の記録とが好き。読みやすいから。
百年の孤独はなんとか読み通したけど、族長の秋はいつも途中で寝てしまう、なさけない私…。
また、冒涜的なことをして、ne_sanさんから、すごい刑罰を宣告されたい、Mな私…。
「予告された殺人の記録」は、
今バッグの中にいつも入れていて、読み返しているところです。
マルケスって、読むたびにいろんな発見があるので、面白いです。
すごい刑罰を考えておきますので、
また冒涜的なことをやらかしちゃってくださいませ(笑)