学校に行くとき、いつも、その子供は、わけのわからない歌を歌います。
私の部屋の窓の下の道を、毎朝、得体の知れないおかしな歌を即興で生み出しながら、過ぎ去って行く。
ここだけ(宇宙の無際限な広さの中で)、
この瞬間だけ(時の永劫の長さの中で)、
この音楽は生み出され、過ぎ去って行く。
毎朝の、ほんの数十秒の出来事。
誰もそれをつかむことは出来ない。私も、彼女も。カミサマでさえ。
オンガクって、そんなもの…かもw
子供はじつに楽しそうです。
夢うつつの私は、彼女の声で目を覚まし、うつつか夢かわからない朝を迎えます。
そういえば、音楽って、音の楽しみって書くんだって、思い出す。
音楽。
音が楽。音の楽。
楽な音。
音を楽に。音に楽を。
英語だって、musicは、amuse(楽しませる)に通じ、語源には女神ミューズが微笑んでる(´∇`)
いい訳です…音楽。
音学と、同じオンで、だけど、オンガクのガクは、ラクでたのしい。
技でも術でも職でも業でも道でもない。音が苦じゃない。
求めなくても、そこにあるもの。
今夜は、ペンギン・カフェ・オーケストラのこと、書いてみようと思います。
楽な音。音の楽。楽しい音。音の楽しみ。
それだけを追究していったら、どうなるんだろう?
まあ、ジャケットを並べてみたかった、というのがホントのところなんです。ラクで楽しいエントリーw
ペンギン・カフェ・オーケストラは、サイモン・ジェフス Simon Jeffes さんが、1970年代初めのある日、南仏で魚にあたって、おなかを壊したとき見た夢に基づき、作られた楽団。
メンバーは、全員ペンギンです(嘘
無国籍・無ジャンル。
ワールド・ミュージックなんて言葉のない時代に作られましたが、ケルトや、中世の教会音楽、アフリカ民謡、ベンチャーズ、バッハ、近代機械のため息、ヨーデル、ミニマリズムなど、いろんな音が集まって、集会を開いてる感じですヽ(´ー`)ノ
楽しい音が集まって、できた音楽。
ギター、ピアノ、バイオリン。
オーボエ、チェロ、電話の呼び出し音。
アコーディオン、輪ゴム、ウクレレ、トロンボーン。
音が鳴れば、それが楽器。人の声も、ため息も。
静寂でさえ。
どの音も、楽しい。その音その音の、楽しいとき楽しい場所がある。
子供が、音の鳴るものに興味を持って、一人で鳴らしてるうち、遊びのうちに瞑想に入るような、そんな日常の神秘が、ペンギン・カフェ。
音楽の発生。
そして、なにより、楽しい。音が楽しいんです。
80年代初め、「環境音楽」なんて言葉といっしょに、日本に輸入されました。
ブライアン・イーノのレーベルから出されていたせいもあります。
イーノのアンビエントより、PCOはすなおに音楽。
ジェフスさんは日本が好きで、よく来日してたようです。
演奏だけじゃなく、禅寺で修行したりもしたとか。
坂本龍一とのコラボもあります。
97年12月11日、脳腫瘍のため、48歳で死去。
この世では、もうペンギン・カフェの続きは聞けません。
以下、サイモン・ジェフスさんの語る、ペンギン・カフェ・オーケストラ発祥の由来の話、意訳してみます。
1972年、南フランスに私はいました。
いたんだ魚を食べたところ、これにあたったようで、すぐ寝込んでしまいました。
ベッドの中で、奇妙な幻にさいなまれたんです。
ホテルか議事堂みたいなコンクリートのビルの前に私はいました。
中をのぞいてみると、どの部屋も絶えず、カメラに監視されています。
ある部屋では、鏡を覗き込んでる人がいます。別な部屋では、セックスしているカップル、そこには愛がない。さらに別な部屋では、音楽家がヘッドフォンで何かを聞いている。
音楽家の周りには、機器がずらり。でも、どれもまったく静かなまま。
そこにいる他の人たち同様、彼もまたその場にすっかり溶け込んで、灰色で無名。
秩序づけられた廃墟、とでもいうか、そんな有様でした。
魂のない場所を覗き込んでいるようなのです。
次の日、ちょっと回復したんで、海岸まで行ってみました。
座り込んでると、詩がやって来た。
それはこんな具合でした。
「わたし、ペンギン・カフェのオーナーです。事柄は、思いついたまま、でたらめに述べるのです。アト・ランダム」正確に言えば、私は詩を書いたわけではない。
言葉は無意識から、突如としてぶつかるようにやって来た。
カフェのオーナーはお店の説明を続けます。
「ランダムっていうこと。偶然っていうこと。それだけが人生の中で、生き生きとしたもの。
思わぬ出来事とか予期せぬ事件事故を、怖いからって、避けてるだけだとと、なるほど人生は安全・安心なことばかりになるですが、創造性は失われてしまう。
創造性。それは人生のじたばた、ごたごた、しどろもどろからやって来るのであります」
そしてオーナーは言うのでした。
「ペンギン・カフェにいらっしゃい。そんな人生、ありますです」
それからしばらくして、私はニホンへ行きました。
新しい世界で自分を見つめなおすということは、なかなかショッキングなことで、私はまたペンギン・カフェのことを考えざるをえなかった。
私はカフェで起こってることを、オンガクの言葉にして記録し始めたのでした。
それはほんとに現実を超えた世界でした。
テープレコーダーを人間と思って話しかけました。
ベートーベンがそこにいました。ごくふつうの人々と同じ顔をして。カフェで演奏される音。それはどんなオンガクなんだろう。
耳が聴きたいと思ってるオンガク。心をそっと持ち上げるために。
どこか人知れぬ高い山の中にある国。そこで人々は夢のような音を夢のように紡いでいる。
秘密の方法で、カフェはそこに通じている。
そこで人の心は飛び立ち、互いの羽根を休めたり、寄り添ったりしながら、音は魂の核心へ触れて行くのだ…。
大学では「音楽学」というこなれない分類がされていて、他学科の俺も受講できました。
音、西洋音階だとわずか10いくつの音が、さまざまな音色を持ち、つながって旋律となる。ただそれだけなのに、心動かされるのは神秘ですね。「音楽は音の有機物」と言ったのが誰だか思い出せないですが、まさにその通りだと思います。受動的に享受できる時間芸術というところも、興味が尽きません。
ペンギンカフェは中学生のころ幼心にジャケットがこわくて気になり、買ってしまいました。イーノよりも聴いていて楽しいです。
Posted by:ペンギンカフェ、もっとよく知られてて不思議じゃないんですが、意外とブームにはなったことがないですね。
ドキュメンタリー番組のBGMやCMなんかにもよく使われてるのに。
若い人はぜんぜん知らないみたいですねw
流行しそうな要素はいっぱいあるのに、けっこう不思議です。
でも、CDはまずまず入手可能なので、まあ、これくらいがちょうどいいかもしれません。
音楽って、ピタゴラスの時代から、数学的に解析されそうでされないという、ヘルメス的性格があって、分析的に創作する人を悩ませ、面白がらせるよう。
日本人はすごく「練習」を重んじて音楽をやりますが(笑)、ほんとはもっとたやすいものだと思うんです。
多くの方が、練習のときのほうがよっぽどオンガクしてて、晴れの舞台のほうがつまらなかったりするような気が…(爆
>メンバーは、全員ペンギンです(嘘
あれれ、ペンギンさんの音楽隊ぢゃないんですか(笑)。
そういえば、イーノのレーベルから出てたのですね。
すっかり忘れていました。
ジャケットがどれも素敵です。
このエントリのおかげで久しぶりに
また聞きたくなりました〜♪
ねるさん、こんばんは。
ペンギンカフェ、今聴いても、すごく楽しいですね。
ぜんぜん古くなくて、しかも新しくもなく(笑)、なんだかなつかしくて、あったかいです。
若い人はたいてい知らないようなんですが、聴くと、なつかしい感じがするらしいんです。
ペンギンカフェって、きっとどの人の心の中にも実在してて、この音楽が奏でられてるのかもしれません。
最近、ペンギンカフェを知りまして、cd屋にいってすぐ買えるのかわからず、検索をしております。
なんだか、わたし好みというのが、ここで再確認できました。