AZ::Blog はんなりと、あずき色☆: 九十九夜 第78夜 「王様の最期」

九十九夜 第78夜 「王様の最期」

written by overQ
June 15, 2005

今夜の九十九夜は、「王様の最期」。暑いし、裸で。

王様の最期

王様の最期

あるとき、はだかの王さまは
海を渡って隣国の
王に会いに行った。
おどろいたことに
隣国の王もはだかで
さらにおどろくべきことには
自身が裸であることに
気づいていないのであった。
「なんと幸せな王さまだろう!」
裸の王さまは嘆息し
帰りの船では
あやうく海に身を投げそうになった。
国に帰ってから王さまは
なぜ自分だけが裸であることに
気づいてしまったのだろうと
人に話せぬ悩みに苦しむ。
九十九年にわたって
はだかの王さまは
その玉座についた。
九十九年目の真夏のある日
青天から降り注いだ
無数の宝石の切片が
裸体に突き刺さり
王は無残な最期を遂げた。
裸でなければあるいは
防げたかもしれない事故。
人々はそのときはじめて
王が裸であることに
気づいたという。
真偽は知れない。
歴史書はそう記す。
続けて名君とも
暴君だったとも
二分する評価を併記する。
ともかく、以来
天の愁いを恐れ
後続の王は
衣服を着用することになり
臣民との区別を失って
王政は衰えたと。



technorati
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.overcube.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/451

このリストは、次のエントリーを参照しています: '九十九夜 第78夜 「王様の最期」' , AZ::Blog はんなりと、あずき色☆.
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?


スパム防止のため、表示された数字(セキュリティコード)を入力して下さいませ。