さすがに、一日に三つも同じ作家の感想文をアップすると、「まつり」な気分しますナヽ(´ー`)ノ
さて、問題の「ペニス」です。
「妖都」「蘆屋家」で、ホラー作家として歩みだすかに思えた、津原泰水。
しかし、98年から01年にかけて、「小説推理」に連載したのは、推理でもホラーでもなくて、現代文学でした。なぜに。なぜだか。編集者は、どうしてこれをゆるしたのか。
バーニー・ケッセルのギターが流れていた。上手いのか下手なのか、極度に洗練された音色のかたんなる無神経さの産物なのか、何度聴いてもわからないギターだ。読んでるうちに眠くなる、ともいわれる現代文学。そのジャンルでのほめ言葉は、理解ではなく、当惑。
男性形としての知が、何かをよじ登ろうとして力尽き、転げ落ちるさまを讃えるといいます。力に対して、非力で対抗するともいわれ、実際、実効性とかは乏しいらしいです。
見かけだおしのニセモノも多いそうですが、ちゃんとやるには、テクニックより本気が必要とも。
年をとっても続ける人がじつは意外に多くて、死ぬと年齢にもかかわらず、夭折という感じを残します(先日の倉橋由美子さんとか)。
「ペニス」は、ペニスという男根を意味する題名だけど、インポテンツの主人公の生活と意見を述べるもの。
東京の公園の管理人で、初老の男。友だちは、ロッカーに入ってた、名も知らぬ少年の死体。しょっちゅう、小説の思い出とチャイコフスキーに引きこもります。にっちもさっちも行きません。
いたって、現代文学です。
このジャンルでは、とてもすぐれた作品…なんじゃないかと思うけど、なぜツハラが、これを。という当惑はつきまといます。
そして、少女小説もホラーも、なぜツハラが、という当惑のもとにあるのでは、と。
ツハラの作品の流れでは、「妖都」でネガティブに描かれた裏側の東京を、その内部にもぐって描く試みを、まじめにやった…というべきかもしれませんが、よくわかりません。
凡庸な解釈は、このジャンルでは嫌われがちで、おしっこを中途で止めた状態でうろうろすると、本物っぽく見えるのです。
ツハラ作品の系列に「流れ」はなくて、ただ断絶があるだけのようにも見えます。
「ペニス」の一作があるために、ツハラはけっしてなめらかな作家ではなく、注意深く見れば、つまづきに満ちていることに、気づかされるのです。
当惑…それは、ほめ言葉。
ツハラマニアは、避けて通れない異物です。
また、ここから読み始めた呪われた読者には、文庫カバーを取って、中身をそっと「恋愛国の恋愛姫」と入れ替えてあげましょう。でも、五ページくらい読んでも、入れ替えられたことに、気づかないかもしれません。
さまざまなレベルの言語が行き交います。
ツハラは会話が絶妙な作家だけど、公園管理の初老の男の心の中には、無数の他人の言葉しかない。公園そのもののように。友だちは名もなき少年の死体。
読み通すのがたいへんな作品。でも、現代文学は途中で読むのをやめたり、途中から読んだりしてもよいという説も。だから、気にせず、眠っていいんですかね。
でも、このジャンルにしたら、まだ読みやすいほうでは。ある意味、「恋愛国」のほうが、読み通すのがツライし、イタイし。
あと、表紙。これを、金子國義にやってもらえばよかったのでは、と思えてならぬ。。
こんばんわ。
津原の、しかも、この記事にTBしちゃって、あたし、ちょっと恥ずかしいのです。
TBを送ったのは、今、巷を席巻しているかに見える、
ミュージックバトンを渡すためです。
OverQさんのセレクトが知りたくって。
5つめの質問っていうか、5人に回すとかいうのが面倒なので、
それはなくてもいいんじゃないかと思うのですが…
ともあれ、お時間が許さないようでしたら、放置しておいてくださいませ。
図書館に津原作品溢れてました。(謎)
「ペニス」も単行本がどっか・・と置いてました。(爆)
流石に借りる勇気がなかったのですが、
津原さんにそういう配慮は勿論ないですよね。(笑)
overQさんの書評読んで、何か悲哀を感じる小説なのかな・・・と思いました。
小心者のいたいけな少女(?)の身・・・借りる勇気が出るのはいつ?
★ne_sanさん。
バトン、しかと受け取りました。
受け取りましたはずなのですが、なぜか九十九夜になりました。なぜでしょう(;・∀・)
それにしても、ツハラは人気なさ杉(笑)
ついでに使われるツハラ。
たいへんツハラらしい感じもします。
また、これでツハラびいきがいや増しに増したかも☆
★ワルツさん。
ふっふっふ。
ツハラは二冊目から。
ここからが、本当の恐怖が始まるのです。
「赤い竪琴」は驚愕の純恋愛小説。当惑します。なぜ、ツハラが、なぜ、これを。。
「赤い竪琴」も「ペニス」も、音楽の話が大量に出てきます。
とてもユニークで、深い話。
ツハラさんは、自身がバンドでボーカルとギター、それにウクレレを担当しているそうです。
最近は、怖い人に思われないように、ウクレレを常時携帯しているらしいですが、そのせいで変な人に見られてるようです☆
再びこんばんは。
ツハラに申し訳が立たないので、
ペニス…はツハラ・ヴァージン向けじゃなさそうだから、
キタン集から読んでみようと思いまする。
や、ペニスにしろと仰るなら、それも拒みませんが…。
いやよいやよもすきのうち。
金子&京極の装丁だから「妖都」とか。
どうか、背中を押してくださいませ。
★ne_sanさん。
ツハラのおすすめは、じつはなかなか難しいのです。
「綺譚集」→「ペニス」→「赤い竪琴」
と読みすすめるのが、よいかなあと思います。
一筋縄ではいかない作家で、しかも見かけとちがって、かなりの大物。
文学のことはよくわかってる人。
でも、当分は売れそうにないです(笑)
自分の作品は映画化してもらえず、最新作では人の映画のノベライゼーションとかやってます(涙
最近気づいたのは、作品相互の連関性がすごくあること。
これも売り上げを阻む原因になってます。
ほかのも全部読んでないと、わからない(笑)
でも、一作一作は、見かけ上は、いちじるしく隔たってます。
スタティックな関連性ではなく、
書いてるうちに過去作との交通ができてしまう、というような感じです。
津原は三島の大ファンで、「赤い竪琴」は輪廻転生テーマを「豊饒の海」から引き継いでいます。
また、ネットおたくらしいので、書いた記事はたぶん読んでくれるのじゃないかと思います☆
「ペニス」をゆっくりと読むといいながら、いえ確かにゆっくり読んでるんですけど、その合間につい他の本を読んでしまっているダメダメ四季です。(笑)
でも今回ゆっくり何回もに分けて読んでて気付きました。基本的に1冊の本を細切れに読むのが苦手な私なんですけど(再読本なら大丈夫なんですけど、これは2回目なので意識としては初読に近いのです)、この本は大丈夫です! どこを開いても、すっとその世界の中に入り込めちゃう。というか、一気に読まない方が私にはいい作品みたいです。ということで、まったりと読み進めていきたいと思います♪
次のたら本の主催者さん、ネット復帰です♪
今月中にはなんとか… と仰ってたんですけど、あまり体調が思わしくないようなので、津原まつりもあることだし、のんびりどうぞと伝えておきました。何はともあれ良かったです(^^)。
>四季さん。
「ペニス」は、断章的というか、いろんな小間切れな思いや出会いが書いてあるんで、
途中からでもけっこう読めるくらいかも。
ここんとこ、ずっと津原作品を読んできて、
出来のよしあしとはべつに、いちばん好きなのはこの作品のような気がしてきました。
「蘆屋家」のあとがきで、神経症みたいになった時期があると書いてありましたが、
「ペニス」のころがそうなのかもしれません。
sa-kiさん、復帰されて、よかったです。
まだ、病み上がりなので、無理せず、ゆっくりやっていただきたいです☆
ご無事で何よりでしたね。ドキドキしてしまいました。