
祝・JMB連携TB企画50回!
JMさん、おめでとうございます。いつもステキなお題ありがとうございます!
さて第50回のテーマは、Music For Sunset。
秋の夕暮れはとても印象的、澄み渡った空が深紅に染まり、そしてあっと言う間に暮れてしまう短い時間。そんなひとときは儚くもあり、寂しげであり、でも優しくもあります。Music For Sunset.
Vashti Bunyan
不思議な響きの名前を持つこの女性は、三十五年前、たった一枚のアルバムを出した。
Just Another Diamond Day
ブリティッシュ・トラッドの伝説の一枚。
そのアルバムは数年前まで、オークションで1000ドルを越えるという、究極のレアアイテムでした。
ブリット・トラッドの聖杯とまで呼ばれ、幾多のものが探究の途上で力尽き、ほんとうに存在するのかあやぶまれたのです。
CDが出て、その実在が今では確認されています。
まるで、コーンウォールの森の中で、妖精の音楽を隠し撮りしたかのよう。繊細。刹那い。
聴いてる最中でさえ、あまりに儚くて、これは存在するのだろうかと思えてくるほど。
奏でられた瞬間、どんどん消えていく音。CDなのに、もうこれ一回きりしか聴けないんじゃないかと、心細くなるほどです。
ささやく、というよりは、つぶやくような歌声。自分のためだけに奏でる音楽。とつとつと、指の動きが感じられるようなギター。そしてリコーダの音が重なる。
イギリスの丘陵に落ちる夕陽、黄昏の中を家路に着く。やがて森にさしかかり、闇が優勢になる。家族の顔を思い浮かべる。キャンドルに照らされて、夕餉の食卓につく家族のことを…。
驚くべきことに、ほんの5日ほど前、Vashti Bunyan が、35年ぶりの第2作目をリリースしました。
衝撃です。夢の中の出来事のようです。
試聴してみると、声がまったく同じまま。やっぱり妖精だったのかもしれません。録音の際、Vashti の声があまりに儚くて、録音技師はマイクの調整で苦労したそうです。
不思議すぎ。ありえん、現実とは思えないです。
そして、偉大なNick Drake。
今でこそ、「もっとも影響を与えたミュージシャン」の第九位に選ばれさえするけれど、
当時(70年代初め)はほとんど評価されず、やがてうつ病を患い、命を絶った人。享年27歳。
70年前後というと、ディランに代表されるような、社会性の強いフォークが主流。
しかし、Drake は、はるかに内省的。指先がはじく弦の、ひとつひとつの震えが意味するもの。
ちょっと話が飛びますが、短歌とか俳句を作る人って、プロの歌人・俳人はほとんどいなくて(歌や句ではではメシが食えないですから)、じつはすごい歌人・俳人は、すぐそこらへんにいたりする。
ふつうに、ふつうの人として、ふつうに生きてて、働いてて、テレビを見て、なんか売ったりしてて、馬券を買って、歯医者に行って、子どもを保育所に迎えに行ってて。かばんの中に秘めれた釈迢空、ポケットの手帖には言の葉のつづれ織り。
ミュージシャンも、録音ができる前、レコードが大量生産される前は、そんなだったはず。スーパースターという現象は存在しない。
音は、それが奏でられるその場にいなければ、聴けないですから。
音楽家だって、調子のいい時もあれば悪いときもあるから、ほんとにいい音楽は、ほんとに儚い刹那しか存在しない。
それをその場にいて聞いた人だって、もう他の人にその思い、そのすごさを伝えることなんてできない。演奏した当人だって、再現できない。それは本当に実在したのだろうか。
一瞬一瞬を過ぎ行くとき、現実こそ、すべて夢のようなのです。黄昏の道をゆくもの。
Nick Drake を聴くと、そんな、音があるがままにあるときの形を、思わずにいられない。
これは、まちがって、録音されているのかもしれない。これは、本来、それが奏でられた一瞬しか存在していないはずの音だから。
黄昏が日々、その日一度きりのように。
歌詞も素晴らしいです。
語彙が少ない。千語に満たないかしれない、子どものような語彙で語られる、事の深遠。生きることの思い。よろこび、かなしみ。放心と歌と。
むしろ、そのようなことは、そのように少ない言葉でしか語れないもののようなのです。弦をはじくひとつひとつの指がつぶやく思い。黄昏に耳をすませば。
Music For Sunset
overQさん、こんばんは。
お忙しいのに、たら本のバナー作ってくださって、今回もステキすぎます。
そして、こちらのエントリー!
>ヴァスティ・ブニヤン!って・・
勿論、初めて聴く方なのですが、懐かしいのは何故?
フォーク・ダンス踊った(踊らされた。笑)子供の頃があったから?(笑)
今、雷に打たれたように(ホントにそんな感じなんですもん。)思い出したのですが、昔リバイバルでヒットした時に聴いた、フランソワーズ・アルディーの「もう森へなんか行かない」のイメージがしました。
フランス語と英語で全く違うのですが、彼女たちの声の質や時代に同じものを感じました。
overQさん、いつもありがとうございます。
いろいろなことを想起させる素晴しい文章に、
自分はいつもお手軽な事しか書いてないなーなんて自省しちゃいました:P
儚く過ぎ行く瞬間、その時の音、Simpleに語られる言葉、
そんなことを感じ取れる感性を大切にしたいと思います。
これからもよろしく:)
★ワルツさん。
こんばんは。
今週はちょっと余裕があるので、ちょうどうまくバナー作れました。
Vashti は、かなりおすすめです。
もしワルツさんところに、オリジナルのアナログ版があれば、十数万円の価値がw
CDが出て、いろんな人に聞いてもらったけど、どのタイプの人にも非常に好評で、
音楽の趣味の傾向にかかわらず、アピールするものがあるようです。
音楽をあまり聴かない人にも訴えるものがあるようで、プレゼントには最適かも。
この人の何がすごいかといって、ありふれていることw
こういう人って、百人いれば一人くらいいるはずなんです。
そして、そんな人が奏でる音楽が、いちばん、ふつうに人の耳が欲している音楽。
それは、そこらじゅうで、何の気なしに奏でられているのに、ちゃんと耳に留められることがない。
妖精の音楽。
本当に、音楽と呼ばれるべき、音楽。音の楽しみ。音の楽。
たままた、偶然、彼女の音は、録音された。
ヨーロッパでは、若い人に、すごく人気があるみたいで、それを受けて、リバイバルしてるそうです。
ワルツさんも、そんな妖精の音、日々、奏でられてるんじゃないかなぁ☆
Posted by:★JMさん。
50回、おめでとうございます!
もう、50回。すごいです!
JMさんの企画にインスパイアされて始めた「たら本」は、ようやく19回。
たら本は、みんなで分散してやってるのを思うと、
JMさんの50回達成は、ほんと偉業ですよねえ(シミジミ
今回は、Nick Drake と、Vashiti Bunyan。
数年前、若い友人から教えてもらって、以来、愛聴しています。
音楽を、レコード出現より前の状態に戻す…というようなことが、もしありえるとして、
非常に重要な意味を持つもので、ヨーロッパでの再評価はそれを捉えているもののように思われます。
たら本のアイデア素晴しいですよね。
持ち回り制が参加者のモチベーションになるしね。
さっきたら本DBに気付いて掲示板にコメント入れさせて貰いました。
素晴しいなー。
このBlogもデザインとか、機能がすごくいいですね。
実現できるスキルが羨ましいなー。
たら本のデータベース、Love BooksのIzumiさんに作っていただいたんです。
http://lovebooks.oops.jp
データベースがあったら、便利だろうなあ、という話を書いたら、Izumiさんが、すばらしいのを作ってくださって、感謝感激でした。
まあ、はやりの言葉で言えば、アウトソーシング(笑)
どこががアウトかインか分かりませんが。
たらいまわしが、そもそも、アウトソーシングのスタイルなんでしょうね。他力本願とも言いますw
JMさんとこも、DBあると、きっと便利ですよね。
50回あるんで、さすがにひとりで作るのは物理的に無理があるけど、
puki-wikiとか使って、10人くらいでわーっとやるとできるかも、と思います。