AZ::Blog はんなりと、あずき色☆: 秋の京都・魔界篇

秋の京都・魔界篇

written by overQ
November 26, 2005

今日は、徒歩による比叡山初登頂に成功いたしました。

たいへん、きつかったです。
時間的には二時間弱くらいでしたが、坂が急なこと急なこと。
久しぶりに足が棒になりました。これから一週間くらい、筋肉痛に苦しめられるかと思うと、ちょっとへこむ(´ヘ`;)

絶景

修学院・雲母坂から登りました。
途中の見晴らしのいい場所では、このような秋山の絶景も見おろせます。

きらら坂は、むかしから利用されてきた登山道。しかし一方では、あまたの血塗られた歴史を持つ道でもあります。
クルマやケーブル、ロープウェイで何の気なしに登ってるときは気づかれることのない、血のにおいのする比叡山の裏の顔を、垣間見てしまったかもしれません。。

指さすものは

★破られた結界

途中まで、中国人のカップルと前後して登っていました。
見晴台をすぎたあたりで、突然、女のほうが大きな声で(中国人はとにかく声がデカい)、男のほうに話しかけ始めました。
ケンカでもするのかと思ったら、急に引き返していきます。

女性は険しい顔をして、怖いものでも見たように、早足で山を降りていきました。
…しばらく行くと。

結界、破れる

顔が砕かれた仏像がありました。古いものです。高さ四十センチくらい。イスラム教徒の仕業でしょうか。

浄刹結界碑

仏像の脇から、奥に伸びる道があり、進んでいくと、「浄刹結界」と描かれた石碑が。
結界?
でも、仏像の顔、砕かれてますが。

たいへん、不安な気持ちになりました。
破られた結界。
比叡山は国家鎮護の山であり、1200年にわたって京都の鬼門をふさいできたはずなのです。
京極堂に報告せねば。


★木喰上人

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
荒い息をつきながら、必死で山を登っていました。
午後二時前くらいのことでしょうか。山の中は暗かった。道は細くて急。
ここは、どこの、細道じゃ。

血の色の紅葉

木々は紅葉しています。
しかし、美しいというよりは、心なしか、まがまがしい。おどろおどろしい。血の色。
結界の破れ目から、何か不吉なものが侵入しているのではないだろうか?

不意に、わき道から、老人が出てきた。
「こっちのほうは、なにかあるんですかな?」
と訊ねてきます。
老人が出てきたのは、わき道といっても、獣道。老人が出てこなければ、そこに道があると気づかなかった。
「こっちのほう」といわれても、こっちの道が比叡山に登る本道。
困惑していると、
「木喰上人」の話をし始めました。怖かったので、途中で逃げ出してきました。

木喰上人って何だったのだろう。たぶん、この字を当てる。なぜか知っている。
歩み去って行く私の背に、老人は「ファックユウ」と悪罵を投げつけました。なんとハイカラな、と思ったけど、今考えてみるとあるいは「白幽」といったのかもしれない。
白幽仙人とは、白隠禅師が白川の山の中で会って、病を克服する教えをさずかった人ですが。

恐怖地蔵

これは、お地蔵さん。
どういうわけか洞窟のようなところにいらっしゃいます。白幽仙人は洞窟の中に住んでいたそうですが。
この付近には廃屋がたくさんあった。誰が住んでいたのだろう。


★顔がない、お堂がない

ケーブルカーとロープウェイの中継地点まで到達。
ほぼ登りきったわけです。

ああしんどかった。
それに、なんともはや…怖かった。中世の時代を旅してるような。

ようやく観光客の姿も見えます。いつもはうざいと思ってる観光客の団体も(汗)、今は見かけるとほっとする。
しかし、観光客はケーブルからロープウェイへ。
私はサイの角のように独り、道しるべにしたがって、釈迦堂・根本中堂へむかう。
まだ、距離はだいぶあるようですが、急な坂はなさそう。

荒涼のすすき

とぼとぼ歩いていきます。
人工スキー場が閉鎖中で、ススキヶ原と化していて、実にさびしい風景。一般的な「秋の京都」のイメージからはかけ離れた光景です。
でも。比叡山は本来、観光地ではなく修行の場だから、このような姿が本当なのかもしれない…などと考えながら進んでいると、また古い石仏を発見。

顔がない

顔がない。
シルクロードの石窟の仏像みたい。結界を破って、何者かが侵入しているのでしょうか。

ときおり現われる古い道しるべをたよりに、進んでいくうち、広々としたところに出ました。
見晴らしはいいのですが、なんか不気味な場所。白い枯れ木が、日本海の岸壁の木のように、風の形に固まっています。
高山地帯みたいに、高い樹木がなく、開けている場所。

御堂の跡

石が集められて、「御堂跡」と書いてありました。礎石だったらしい正方形の石が、まつられています。

根本中堂よ、どこへ? 仏教は滅んだのか?

…どうやら道を間違えてたようです。
ガーデンミュージアムのほうから行けばよかったのですが、近道をしたせいで、なにか大昔のお堂の跡に来てしまったらしい。

赤い樹

見知らぬ赤い樹木が、血の色に紅葉していました。杉のような常緑樹に似た木なのに、紅葉していた。末法の世?


★水女

比叡の紅葉3

いろいろ苦労したけど、ようやく釈迦堂に到着。
紅葉、きれいでした。

比叡の紅葉アップ

帰りは、道もわかったし、ずんずん進んでいきまいした。
ガーデンミュージアムにも寄りたかったけど、時間の都合もあり断念。
ふたたびケーブルとロープウェイの中継地点へ。

ケーブルカーで降りようかとも思ったのですが、ここまで来たら、帰りも徒歩と悲壮な決意して、山道へ。
下りは、登りよりは、ずっとラクだし。

日が暮れる前に下山したいので、かなり爆走しました。
途中で、若い女性とすれ違った。若い頃の藤純子そっくりの、りゅうとした美人。
こんな時間に、まだ山に登るのか、と不思議に思いながら、すれちがうとき、「こんにちは」と。
あわてて、こちらも、ぼそぼそした声で、「こんにちは」。
花の香りを残して、女性は背後に去っていきました。

しばらくして振り返ると、彼女はもうずいぶん高いところまで登っていました。異様に早足です。慣れているのでしょうか。
見ていると(見とれていると)、彼女も振り返った。笑った。キツネのようでした。白い。急に、どこから滝の音が聞こえた。女はこーんと跳ねた。

怖いので、それから、駈けるようにして、ふもとまで。
わずか50分できらら坂を下りきり、いつもの見慣れた風景の夕方が、そこにあった。ほっとひと安心。

足が痛いなあ。。



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コメント

比叡山初登頂おめでとうございます。お疲れ様です。根本中堂にたどり着けなかったのですね。
でも、ケーブルの中継地点まででも結構ありますし、そこから近道というのもなかなか大変そうです。(私は学生のころ徒歩で一回登って以来、後はケーブルか車ばかりの軟弱モンです。あっでも、伊吹山は山頂の夏のお花畑目当てに今でも徒歩で登ります。)
overQさんが進まれた近道は、異界への入り口だったのでしょう。だって不思議な方だから。。。

筋肉痛は年齢と共に時間がたってから来るので(笑、失礼!)明日の朝当たりからが本格的に要注意かも?お大事にね。(*^。^*)

Posted by: Site icon ワルツ : November 27, 2005 11:24 PM

時期外れの怪談を聞いてるみたいな気分でした。ぶるっ。
お写真も気のせいか色が尋常でないような。
モノクロに人工色をつけた感じで好きです(笑)。
去年秋の京都を訪れたときは、もろ観光客らしく
名所巡りをしましたが、次回(があれば)比叡山
登ってみたいですね。若くないですが健脚です(笑)。
最後に出会った美人、もし後を着いていかれてたら
この記事も存在しなかったのかも…(^_^;)。

Posted by: Site icon ねる : November 28, 2005 8:53 AM

★ワルツさん。

もはや全身が痛いです( ;´Д`)
とくに階段を降りる時が、たいへんやばいです。
ギシギシガシガシと音が聞こえる気がします。

釈迦堂までは行ったのですが、根本中堂はもはや気力が湧かず断念(笑)
ワルツさんの行かれたガーデンミュージアムも、ぜひ行ってみたかったのですが、
もうだいぶ遅くなっていたので、今回はあきらめました。

私は年内に、もう一回、行くつもりですから。ええ、行きますとも。
枝道がいくつかあるので、それもぜひ走破してみたいです。
謎の老人は、変なところから出てきて、変なほうに去っていったので、そのルートを探検したいと思っています。
ちょっと危険なにおいもしますが(;・∀・)


Posted by: Site icon overQ : November 28, 2005 8:56 PM

★ねるさん。

比叡山徒歩登山、たいへんハードでした。
石碑とか、いくつか歴史的な見ものがあって、そっちをたどるわき道を追って行くと、どえらい遠回りになるんです。
でも、わき道を示す道標は、むしろ近道であるかのように書かれていて、大変な目に遭いました。
初心者を陥れる罠としか思えませぬ。。

老人はほんとに会ったのですが(笑)、ぜんぜん汗もかいてなくて、わき道からわき道へとずんずん歩いていって、ショックでした。
最後の若い女性も、跳ねはしなかったものの、ほんとに会ったんですが、あんな時間帯に登ってどうするつもりなのか、たいへん謎です。

こんな感じの、フィクションをまじえたホラー風の京都魔界めぐりのブログを作ってみたい気もしてきました☆

Posted by: Site icon overQ : November 28, 2005 9:03 PM
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