猫の集会。
なぜに猫の場合、集まっていると、「群れ」ではなく、集会や会議と呼ばれるのでしょう。
集会。会議。民主主義。
それはおよそ個人主義に基づくものであり、漱石も彼の個人主義を錬成するにあたって、猫たちから大いに学んだと伝えられています。
犬なら、狼の血族ということもあって、集まれば、それは群れ。
人間に飼われている時も同様で、彼の頭の中では、家族はひとつの群れのはず。
線でまるく囲ってあって、その中に大切な世界が守られている。
犬は人といっしょに生活するのです。
一方猫は。猫は人のそばにいる。しかし、いっしょ、ではない。
猫はきっと、ヒゲの先から尻尾の先まで、個人主義者。
彼の線は、個という点と点を結ぶものであり、用が済めば、切り離せばいい。また用ができたら結ぶ。囲いこむ必要なんてない。めんどくさいだけ。
群れや仲間は虚妄であって、個だけが実在するのだから。
そして、このシビアな現実を受け入れるよう、猫にも人にも、犬にも鼠にも、恋人にも魚屋にも推奨して歩くのです。
猫の会議は、ノラもいれば、飼い猫もいる。
おそらくはイヌやニンゲンであっても、生きるということの単位が自分ひとりきりだと、ヒゲの先から尻尾の先までちゃんとわかっているなら、会議に参加する資格はあるでしょう。
個=孤であることを認識するものどうしだけに可能な連帯。
ある辞書によれば、会議とは、
「複数の異なる意見を持ち寄って、その対立や矛盾に調停をほどこすべくおこなう喧々諤々のこと、またはその場所」
だとか。
会議参加資格証は、目には見えないけれど、猫には嗅ぐことができるにちがいないです。
人間が資格証を持つことは稀です。
かつてそんな稀な方をひとりご紹介したのですが、今回ももうおひとり、そんな人をご紹介してみます。
津田明人さん。
その一冊の写真集「路傍の猫」。
当時彼は外国帰りの失業者であり、野良猫がそうするのと同じように、昼間からただ、故郷の町の裏道を、ほっつき歩いたのだと言います。
歩きに歩きに歩いたと。ただ、それだけ。ノラさんたちの、命をかけた気概にはてんでかなわないと自覚しつつ。
しかし、町の裏側にこのような風景が存在していたことを、猫以外の誰が知っていただろうか。
見慣れた風景の中から何も感じ取ることができなければ、どこへ行っても、何を見ても同じだ
−−「路傍の猫」あとがき
険しい目つき、やせこけた四肢。刺青の変わりに逆立つ毛並み。
片目、なま傷。血の臭い。
口にくわえるは、生きた野鳥。
猫の高倉健、猫の鶴田浩二、猫の藤純子、猫の菅原文太。
極道の猫たち。
ニンゲン、なんぼのもんじゃ! 猫中心主義に基づく町の風景。
表の道は歩きませんが、猫には猫の道がある。裏側から透かして見た町。ヒトが見ることのない、町のもうひとつの顔。
ちょっと昭和のにおいもします。昭和が平成とちがうのは、町の裏側に息づく個が独立独歩、多数多様にいたってことかもしれない。
生存のぎりぎりいっぱいで、崖っぷち、つま先だってつんのめって、生きている命たち。
そのかっこよさ。
そう、この写真集ではなぜか、「かわいそう」より、かっこよさが先に来る。
まったく「かわいく」ないやつら。見てると肌がひりひり痛い。
それなのに、このように生きてみたいと、心のどこか、うずくものがあるらしいのです。。
猫の写真て、撮るの難しいんですよね。
自分の飼い猫の写真さえ満足に撮れないのは、僕に猫と向き合う心構えが不足してるのか、家の猫が飼い猫といえど個人主義者としての最低限の矜持は持ち合わせているということなのか。(多分両方)
★Rymさん。
有名な動物写真家の岩合さんも、ノラ猫写真集を出してて、
ネコのウンコにまみれながら、そうとう苦労して撮影したそうなのですが、
この写真集は、いまんとこ無名の方の作品ですが、だいぶ上を行ってて、衝撃的でした☆
そもそも、被写体がすごすぎる。
こんなヤクザなネコどもが、何十匹もいるという町があることが驚きでした。
あるいは、人の目にあまり触れないだけで、裏道をのらのら歩き回れば、この手がネコがじつはわさわさいて、町を裏で仕切ってるんでしょうか。
うーん、不思議です!
★こばんさん。
漢と書いて、ニャンと読む。
任侠と書いて、ニャンキョウと読む。
♪せなで〜ぇ、ほえてる〜ぅ、唐獅子こ〜ば〜ん〜!
★夏庵さん。
いつもありがとうございます!
ネコ写真、難しいですよね。
最近、うちの近所で、昭和の痕跡をたどって、写真を撮ってるんですが、
昭和的なものの影には、なぜかノラ猫がよくいますヽ(´ー`)ノ
で、ついでにノラさんも撮ろうとはするものの、
うちのデジカメは古い機種なので、レスポンスが悪く、
ネコを見たと思って、シャッターを切っても、
すでに被写体は画面を離れ、はるかな路地を走り抜けています(笑)
望遠も三倍ズームでは、てんで歯が立たず。
プロのノラ猫写真家さんの撮影の様子を追跡したこともあるんですが、
路地裏どころか、民家の裏庭とかに平然と不法侵入していかれました。
全然、ついていけませんでした(;・∀・)
「路傍の猫」は、おそらくもっとすさまじいことをやったにちがいなく、カメラマンもそうとうな極道者かもしれません。。
Posted by: