宮川泰さんが亡くなった。
なんとなく交響組曲宇宙戦艦ヤマトを聞くうち、ちょっと書いてみたくなったこと。
宇宙戦艦ヤマトは、赤い地球から始まる物語。
この赤地球の映像的インパクトがすごい。
地球といえば青いもの。水の惑星。
それが、海が蒸発し、地表には人が住めなくなっている。青い星がサビ色に赤くくすんでいる。
当時は石油ショック後で、ノストラダムスの予言とかブームだったそうです。
何者とも知れない敵の攻撃で、海は砂漠となってしまった。
そして、かつて沈んだ戦艦大和の赤くさびついた遺影。
これが動き出すという物語。
この最初の着想に、すべての力が凝縮されています。
スタッフの思いがこめられている。
いちばん底から立ち上がらねばならない。
底…地下にはまだ人類が生き延びている。
侵略者はどことも知れない宇宙からやって来る。遊星爆弾。
しかし、助けの手も、どことも知れない宇宙からやって来る。
とてつもなくすごいことに、侵略者と救いの手は、同じ場所からさしのべられていたことが、最後に明らかになります。
イスカンダルは、征服王アレキサンダーのアジアでの読み方ですが、たぶんそのことは松本零士すらよく自覚してないような気がする。鵺、キミたちはグノーシスだ。
宿敵ガミラスが、汚染されきって、病みおとろえた星、海が硫酸というのも、すごい。
穴だらけの地表の皮の裏(=地下)に、ぶら下がった都市をいとなみ、逆さまになって棲んでいるガミラスの人々。
このイメージは、遊星爆弾によって、地球にもたらされるものと、完全にシンクロしている。侵略者は、侵略される側より、もっと悲惨。すごいです。
たぶん作り手はそんなに自覚なくやっていて、それがあまりにナチュラルで、ほんとにすごい。
それから、救いの手をさしのべる、サーシャ=スターシアのありえない美しさ。
それは文字通りありえないのであって、スタッフはどこかで、人生は甘いものだと信じている。
切羽詰れば、何か女性的なものが、そっと手をさしのべてくれる、と。
宮川泰の音楽は、その思いをいちばん底のところで支えています。
宮川さんの人生のこと、よく知らないのですが、この時期、彼はちょっとつらかったのじゃないか。
彼もまた、さびついたヤマトが、ふたたび立ち上がることに、重ねる思い、あったのではないか。
ザ・ピーナッツ、クレイジーキャッツ、梓みちよなどで、地位を確立した後の時期。
われわれは起死回生の一打を必要としているし、それは当然もたらされねばならないもののはずだ。
静かな曲がとてもいいです。
地球は最初は攻撃に対して、ただただ受身だった。
しかし、救いの手がもたらした波動エンジン、本来は推進機関にすぎないはずのものを、地球人はたちまち、波動砲という究極の兵器に改造してしまう。。
この設定の微妙さ。
ガミラスを滅ぼされたあと、デスラーが最後の反撃で使う兵器が、波動砲と同じものらしい。
でも、それをヤマトは跳ね返してしまう。
つまり、自らが作り出し、自らが禁じ手としていたものを、相手に使われてしまい、それによって滅びの道を歩む。
この象徴性は、本当にすごいものだと思います。人間ってなんて愚かなんだろう。
作り手ははっきりとは意識せず、この設定を生み出したかもしれません(でも、その後の著作権のいざこざで、この「象徴性」を実演したかもしれないけれどw)。
ヤマトは旅の物語。
旅の途上でいろんなエピソードがあります。
私は、真田工場長の四肢の不自由さが明らかになり、主人公・古代進との兄弟のような関係が達成される話が大好きです(18話)。
あと、アナライザーも好き。人間ならざるものが、人間に恋してしまうこと、それを悲劇ではなく、喜劇としてしか表明できないこと。ちょっと宮川泰っぽいのかも。
ご冥福をお祈りします。…でも、いいなくなりかただったかもしれない。仕事も最後までできて、ぽっくり逝かれました。
こんばんはです。
私も宮川泰さんといえば、やはりヤマトになります。
いちばん最初に、自分のお小遣いで買った音楽がヤマトでしたね。カセットテープでした。たしか『さらば・・』のサントラだったと思います。1曲目、冒頭のティンパニが強烈な印象で残っています。
モノラルの小さなテレコで繰り返し聴きました。
私は古代より島派だったような気がします。ハデな主役より、地味な脇役好みだったのかもしれません。
なにはともあれ、宮川さんに感謝と、そして「おつかれさまでした」とを。
Posted by: shosen : March 24, 2006 10:33 PMこんばんは。
デスラー総統はなぜかアニメ版「ベルサイユのばら」の背景にちょこっと出てることでも、一部ちょこっと有名ですw
「イスカンダル」が今ではかのタリバンの本拠地という「カンダハル」と語源が同じらしいというのも、今ではなんだか象徴的ですね(アレクサンダー→イスカンダル→カンダハル)
ヤマト搭乗員占いってわけではありませんが・・わたしの長男は南部さんが好みらしいです♪
★shosenさん。
ヤマトの楽曲はほんとにすばらしいですね。
よく聞いてみると、旋律はたしかにピーナッツの曲と似てるものがあるなあと、さっき気づきました。
ひょっとしたら、もともとは歌謡曲として書かれて、歌詞もあったのかもしれないですね。
スターシアのテーマ、途中でハープで鳴って、そこからストリングスの展開になるところが、優美で大好きです。
こないだの久世さんと、非常によく似た亡くなられかたでしたね。
お二人ともテレビの仕事が中心なので、毎日がお祭りみたいで、いろんな人の出入りがあって
…それで、ハイな気持ちがいつも維持されてて、体の不調とかあまり自覚がないのかな。
これからも、宮川泰の曲は、いろんな人に聞かれ続けるでしょうね☆
Posted by:★美頬さん。
デスラー総統、ベルサイユの薔薇でも、違和感なさそう(笑)
青い肌も、あの世界では特に問題がなさそうです。
カンダハルも、アレキサンダーから来てるんですね。
もはや、ぜんぜん、元の語の面影がない(;・∀・)
それにしても、南部さんとは、渋好みです!
名前のあるキャラクターの中では、いちばん地味かも。相原通信士よりも出番が少ない気がします。
役職がわからないので調べたら、「砲術長」だそうです。