これまで天才によって創造されたあらゆる書物の中で最も偉大な、最も憂鬱な書物。そう、ドストエフスキーが、絶賛した本。
現在まで人間精神が発した、最高にして最後の言葉。
フローベールが、スタンダールが、ツルゲーネフが、オースティンが、ディケンズが、ハイネが、「わが師」とあおいだ作家の代表作。
フィールディング、スターン、デフォーら、小説というジャンルの始祖が模範とし、技法を学んだ作品。
トーマス・マンがナチスを逃れて英国に向かう船上で心慰めた書物であり、
フォークナーが晩年に熟読し、ジョイスがそこから小説ではどんな(お下品な)ことも許されると確信し、ナボコフが解体作業に従事しなければならなかった作品。
1930年代パブストが映画化して以来、映画人のあこがれであり続け、
オーソン・ウェルズが完成できず、
テリー・ギリアムがセットを洪水に押し流され断念した呪われた作品。
ダリが、ピカソが、ギュスターブ・ドレが、その挿画を描いた名作。
70ヶ国語に訳され、聖書に次いで、世界で最も売れた本。
★その作品
それは、ラマンチャの男、ドン・キホーテ。
しかし。
そんなたいそうな作品が、第23回たら本(「100文字で」のねあ。さま主催☆)のお題、
「笑う門には福来たる! “笑”の文学」
でありえるのか…。
ところが、ドン・キホーテ、
誰もがその名を知っており、ディスカウントショップがその知名度を利用するほどでありながら、
ほとんど誰も読み通したことのないこの本(笑)、
原稿用紙にして三千枚以上、
岩波文庫6冊、
新潮の単行本四冊で14700円になります(消費税込)、
セルバンテス著「奇想天外の郷士 ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」は、
何よりもまず、パワフルでお下劣な笑いに満ち満ちた書物なのです。
証拠をお示しいたそう。
★その騎士
15世紀末に活版印刷が導入され、にわかに出版ブームに沸くスペイン。
そのブームの主役は、騎士道物語。
正義の騎士が、魔法使いに閉じ込められた姫を救い出す…簡単に言えば、そんなヒロイックファンタジー。
これに入れ込んで、田畑を売ってまで本を買い込み、読みに読んで、頭がおかしくなった初老の男。
自分が「放浪の騎士」であると思いこみ、旅に出る。
駄馬ロシナンテにまたがり、洗面器の兜をかむり、小太りのたわけ者サンチョを従者とし、風車を巨人と思い込んで、戦いを挑む。
これが発端の部分で、誰もが知っているドン・キホーテ。
…しかし、この物語が走り出すのは、このあとからなのです。
(以下、かなりお下劣な内容ですw お食事中は読まれないよーに)
★そのドタバタ
あるとき。
ヒツジの大群を見て、合戦の場に遭遇したと思い込むドン・キホーテ。
(この引用は読まなくてよい)「見よ、われらの前方からまいる軍勢は、トラポバーナ島の君主、アリファンファロン大帝が指揮をとっておるのだ。また、わしらの後方からやってくる一軍は、その仇敵たるガラマンタ族の王、腕まくりのペンタポリンの軍勢だ。この男は、いつでも右腕をまくりあげて戦場にのぞむから、この名がついたのである」
羊飼いたちは、わけのわからんおっさんが、ヒツジを槍でつつき回しているのを見つけ、
「何さらしとんじゃ、このボケが!」と激怒。
「敵は、いずこにやある? であえぇ、であえぇ!」と雄叫びを上げるドンキめがけて、石を投げつける。
雨あられと降る石つぶて。
あばらが折れ、指が折れ、顔面に当たって歯がくだけ…。
やがてヒツジの群れが去り、ボロボロのケチョンケチョンになった二人が残される。
しかし、ドンキには、一滴飲めばあらゆる傷が治るという妙薬フィエラブラースがあるのだ。
前日、本で読んだうろおぼえの知識で調合し、すでに大騒動を起こしたもの。
サンチョが心配して駆け寄ったとき、この妙薬がドンキの胃袋の中で効果を発揮する。
サンチョの顔めがけ、反吐を噴き上げるドンキ。
折れた歯の出血のせいで、てっきりドンキが血を吐いたものと勘違いし、心配するサンチョ。
しかし、顔から垂れる「物質」の味と香りから、それが例の「妙薬」とじじいのゲロであることにじょじょに気づく、サンチョ、あわれ。
彼も胸が悪くなり、ドン・キホーテの顔の上に大量の嘔吐をするのであった。。
二人は、真珠貝の中の真珠のように、ゲロでつややかに輝いた…と描写されています(;・∀・)
(前篇 18章)
★そのお下劣
このような、すさまじいドタバタが果てしなく続く、痴愚礼讃なドン・キホーテ。
ある夜。
ドン・キホーテは、思い姫のことを案じつつ、城のそばを馬で歩んでいる。
城といっても、ドンキがそう思いこんでるだけで、ほんとは街道の安宿。
そのまぐさ小屋の高いところに小さな穴が開いており、そこから女性の声が聞こえる。
宿の女中たちが、ドンキをからかうため、声をかけた。
ドンキは、城の姫君が思いを伝えようと、忍んでこられたものと勘違いする(なぜ?)。
自分には思い姫があるので、あなたの思いは受けられない、とかなんとか言いつつ、
「穴からお手をさしのべて下さいませ」
という声にしたがって、穴に手を入れる。
ドン・キホーテ、
「この手に触れた女人とていまだ一人もなく、今これをおまかせいたすのは、接吻を賜るためでもござりませぬ。
筋のつきかた、血管の太さやそれが全体をめぐっている様子をごらんいただき、このような節くれだった手を持つ腕が、どれほどの力を発揮するものか、ご推察いただくため」
★その作者
ドン・キホーテが書かれたのは、400年前。
作者セルバンテスは、作品にまさるとも劣らぬ、すさまじいドタバタ人生を送った人です。
シェイクスピア、徳川家康と同時代。
セルバンテスがドン・キホーテなど主な作品を書いたのは、50代終りから69歳で死ぬまでの十年間。
当時の60歳は、ほんとうに老人だったにちがいなく、このようなパワフルな作品を大量に書いたことは驚異的。
セルバンテス Miguel de Cervantes Saacedra。
1547年スペイン生まれ。
20歳のころ決闘事件を起こし、右腕切断・追放の刑を受け、これを逃れるため、イタリアに逃亡。
そこでスペイン軍の派遣部隊に入隊。
ちょうどレパント海戦の時期。セルバンテスはこれに参加し、銃弾を浴びて、左腕を失います。
刑罰で右手を失う代わり、異教徒トルコと戦って左腕を失った。セルバンテスは生涯、これを名誉に思っていたようです。
武勲を立て帰国の途上、船が海賊に襲われる。
セルバンテスがスペイン軍司令官の紹介状を持っていたことから、海賊は身代金がふんだくれると判断、彼を監禁。
何度も逃亡を試みるも、失敗に終わる。ただ身代金用の捕虜なので、海賊もセルバンテスを殺さない。
やがて海賊の親分さんの任期が終了(笑)、故郷に帰ることとなり、修道僧がセルバンテスの身元を引き受けてくれる。
スペインでセルバンテスの家族が身請け金を集めてくれたおかげ。
しかし、そのせいで、スペインに戻ってみると、一家はすっからかん。セルバンテス33歳。
劇作家になろうとしますが、新進気鋭のライバルが登場し、古臭い様式を身につけたセルバンテスは流行に乗れず、あえなく敗退。
スペイン無敵艦隊の食料調達係という、かなり情けない仕事につきます。
一家を養っていかねばならない。
小麦の袋を横領して、罰金を払わされたりしてます(´ヘ`;)
そのセルバンテス一家。
妻、娘(妻の子ではない)、姉、姉の娘(父は不明)、妹、そしてセルバンテス。
女ばっかり。五人と一匹。
この女性たちをセルバンテスが養ってる…のではなく、じつは養われいた。そもそも「身請け金」を集めたのも彼女たち。
その職業は売春婦、さらには結婚詐欺みたいなこともしてたらしい。
たぶん家族の誰も、セルバンテスが天才だとは知らなかった。
お荷物と思われてただけかもしれない。どうしようもないダメ男。まさにドン・キホーテ。
しかし、ヨーロッパ近代文学は、ドン・キホーテというたったひとつの震源地から発生するとさえいえる。
セルバンテスは女たちの金で騎士道の本を買って嫌がられていたのではないか、とも憶測されます(19世紀になって発見された、セルバンテスのとてつもない博識)。
そして、そこから、ドン・キホーテは生まれてくる。
さて、せっかく無敵艦隊の食料調達係となったのですが、その無敵の艦隊がイギリスに敗れます(笑)
笑…じゃないのか、ここから、スペインの没落が始まる。
セルバンテスは、スペインの心配をする前に、自分の心配をしなければならない。
すったもんだの果て、今度は滞納税金の取り立て係になります( ;´Д`)
司教領で取り立てしすぎて、司教から破門を言い渡されたりも。
もう50歳すぎてます。泣きそうです。
さらに、取り立てた金を預けていた銀行が倒産。負債を負ったセルバンテスは、監獄へ。
もはや、どうしようもない、苦境。
しかし、その監獄の中で、ドン・キホーテは生まれる。
1605年、ちょうど400年ほど前、「ドン・キホーテ(前篇)」は出版されました。
出版と同時に、大ブーム。
しかし、セルバンテスは版権を売り払っていて、いくらブームになろうが、金は入らない(号泣
一年で七つの海賊版が出たとも(;・∀・)
また正規版の出版者は売春宿・賭博場経営者で、セルバンテスに支払われた金も、バクチで巻き上げられたと言われています。
さらに、あろうことか、後篇執筆中に、別な作者が「続篇」を発表(笑)
ところが、これがセルバンテスに火をつける。
ドン・キホーテを真に偉大な作品とさせる「後篇」は、偽物が出現したことで炎上したセルバンテスが書き上げる。67歳。死の間際。奇跡は起きた。
…すさまじい人生です。
しかし、ドン・キホーテの作者、このエラスムス主義者の笑いの速度に、涙は追いつけないのです。
セルバンテス(とシェイクスピア)の命日、4月23日は、サン・ジョルディの日、すなわち「本の日」として、ユネスコから認定されています。
★その翻訳
ドン・キホーテの日本語訳は、昔からたくさんあります。
新訳も出ていて、岩波文庫も2001年に新しい訳に変わりました。
ドン・キホーテは、抄訳や子供用の訳も多いです。
ちくま文庫版の会田由氏、岩波文庫版の牛島信明氏による抄訳。
研究者ではなく、スペイン在住のライター中丸明さんのこの本もおすすめ。
いちばん手っ取り早く、ドン・キホーテを楽しめるいい本です。抄訳、読解のポイント、セルバンテスの紹介の三部構成。スペインの歴史が興味深いです。
そして、2005年秋、ドン・キホーテ400年を記念して、新潮社から出版された新訳。
たいへん思い切った訳です。
400年前のスペイン語作品にもかかわらず、註なし、解説なし。
池内紀のカフカ訳などとともに、翻訳の新しい潮流か。
四冊。14700円。
日本語作品として、読ませます。
値段が高いのが難点…ですが、いずれ近いうち、文庫になると思う(笑)
なぜドストエフスキーほか多くの作家がほめたたえるのか、その理由も書きたかったのですが、長くなったので、それは後日に。
おはようございます。
TB間違えて、1つ送ってしまいました。
無題のは削除して下さい。スミマセン。
『ドン・キホーテ』は岩波少年文庫版は昔読みました。
少年文庫で読んで完訳を読んでない作品は多いです。
もちろん『ドン・キホーテ』もその一つです。
『ドン・キホーテ』の話しも興味深かったけど、作者セルバンテスの生涯もなかなか面白かったです。
この記事を拝見しているうちに、
『ドン・キホーテ』とか『レ・ミゼラブル』とか
児童文学として、あらすじだけつめこまれちゃうのって
よくないなあと思いました。
結局、それっきりで読んだ気になって、本物を読まなくなってしまうから。
なぜ、大人は自分も読んだことのないような名作を
慌てて子供に読ませたがるのでしょうか?
>なぜドストエフスキーほか多くの作家がほめたたえるのか
おお、それは是非、知りたいです。
今、ちょっと検索したんですけど、『ドン・キホーテ』って
ドン・キホーテが分裂して、サンチョがドン・キホーテ化し
読者も小説の一部となるんですね。
これは是非とも読まねば。
overQさん、こんにちは!
『ドン・キホーテ』、読んだこと無いです。
そして、overQさんがおっしゃる通り、ドンキホーテといえばあのお店!が真っ先に思い浮かんでしまいます。
あと、ラ・マンチャの男と言えば、松本幸四郎。
でも、いつも読んだ事の無い本でもoverQさんの記事を読むと、読んだ気分になれます(*´Д`)
それにしても、『ドン・キホーテ』ってこんな面白いストーリーだったのですね!
食事中でなくて良かったです♪
★むつぞーさん。
ドン・キホーテの翻訳の解説を読んでいると、たいてい
「誰もが名前を知っているが、読み通したことのある人はほとんどいない」
みたいなことが書いてありました(笑)
私は読み通したことあるんですよ。
ちょっと自慢できること…なんでしょうか。。
前の岩波文庫で読み通したのですが、なんかイマイチよくわかりませんでした(´ヘ`;)
「丸かじり」を読んで、はじめて面白さに気づいて、
新潮の単行本で、今夜あたり読み通せそうですヽ(´ー`)ノ
セルバンテスの人生は、ほんとにすさまじくて、呆気に取られます。
ヘンな人生の作家さんはたくさんいますが、ここまで強烈なのは珍しいです☆
★LINさん。
ドン・キホーテは、地元スペインでも、一家に一冊はあるけど、
聖書と同じで、だれも読み通してはいないそうです(;・∀・)
本そのものを超えて、ここまで一人歩きできたキャラクターも珍しい。
シャーロック・ホームズやハムレット以上かも。
たとえスペイン語が滅んでも、ドンキは残ると言われています(笑)
ドン・キホーテの語りの構造というか、メタフィクションというか、枠物語の仕組みは、すごく複雑です。
そのネタを書くと、それだけでメチャ長くなるので、また別記事にしますね。
たぶん千夜一夜物語と同じ、イスラム経由の物語り方の影響のようです。
★みらくるさん。
ドン・キホーテとサンチョ。
こんなデタラメな二人ですが、最後まで読むと、愛情が芽生えてきます。
ドン・キホーテには尊敬の念すらおぼえるように(笑)
後篇の半ばくらいから、反転が起きてくるんですね。
虚構と現実、正義と不正、狂気と正気といったものが、裏返ってくる。
「ベルセルク」というマンガがありますが、
あれに出てくる残虐行為や拷問器具、武具などは、たぶんこの時代のスペインに由来するものと思います。
ひどい時代なんですが、その中にドン・キホーテを置くと、強烈な批判精神が感じられます。
いやもう、すごすぎ。ドンキホーテもですが、セルバンテスの生涯も!
overQさんの解説が面白くって、一気読みしてしまいました。
そっか、セルバンテスは、レパントの海戦に行ったのですねー。そして右腕失って。。。帰ってきてからもダメダメぶり炸裂。
読ませてもらいながら、いったい、いつになれば「ドンキホーテ」書くんだろうって心配しましたわん。(笑)それがナント獄中だとは・・(^^ゞ
セルバンテスと言えば、偉大な劇作家と世界史であがめられていますが、ホントは、とっても愛すべきおじさんなのですね。そして天才だった!(家族が誰も彼のことを天才と気づかなかったというのにも笑えましたよ。)
私も岩波少年文庫か何かで読んだっきりなので
きちんとしたのが読みたいんですよねー。
で、その前に「丸かじり」を読もうと思ってるんですが
まだもうちょっと先の話になりそう。
あ、本編を読む時は、岩波文庫よりも新潮の単行本が良いですか?
岩波でも新訳が出たから大丈夫なのかな?
でも新潮は日本語作品として読ませてくれるというのがいいですね。
表紙も好きな雰囲気〜。このまま文庫になってくれるといいなあ。
★ワルツさん。
セルバンテス、すごいです。
こんな人生、ありなのか…(;・∀・)
地獄のような人生ですが、意外と「住めば都」みたいなところもあって、
なんだかんだ文句ばかり言いつつ、セルバンテス、満足してたようにも思えます
(最後の作品の序文には、そこはかとない余裕があります)
セルバンテスは、シェイクスピアと同時代人ですが、
「小説」というジャンルの起源はまちがいなくセルバンテスにある。
手塚治虫がいなければ「マンガ」がないように、
セルバンテスがいなければ「小説」はなかった。
散文の魂を生み出したのはセルバンテス。
(詩と散文は、ちょうどクラシックとロックのような関係です。)
19世紀後半くらいになると、セルバンテスは「偉人」にされはじめ、
ドン・キホーテに「教訓」を読む学者も多いのですが、
それはたぶん、だまされてる
…セルバンテスは最低の男です(;・∀・)
最低が最高である、という精神。
それが、セルバンテスが見出した散文、ロックともパンクといってもいい、生きる魂と思います☆
★四季さん。
新潮の新訳はとてもいいです。
堀越千秋という人が挿絵を描いてて、それも面白いです。
この人の絵を中心にした編集本もあり。
たぶん池内紀訳「ファウスト」で、山本容子の絵本バージョンも作ったのを、踏襲してると思われます。
文学史的には、ドン・キホーテが「小説」というジャンルの起源と言われています。
それは「笑い」、それもドツキ倒すような体を張った笑いが、小説というジャンルの真髄だという意味。
詩ではなく「散文」に価値を見出したのがセルバンテスで、
それはちょうど音楽で、クラシックに対してロックが出現したようなものなんです。
この横紙破りなところは、ほんとにすごいです。
今回、近代文学史の真髄が、不意にわかった気がしました(笑)
overQさん、こんばんは。きみ駒でございます。
遅くなりましたが、今回も参加いたしました。
お時間あれば、いらして下さいね〜。
それにしても、パワフルで猥雑で、圧倒されました。
セルバンテス、もっと偉い人なのかと思ってたのに。
印税が全く入らなかった「泳げタイヤキくん」の子門真人のことを、
ちょっとだけ思い出しました。
overQさん こんにちわ(^^)
ご参加いただきありがとうございます。遅くなって申し訳ございません。
ああ…
紹介文に感動。
引き込まれて、読んで、笑って、数分してから書いてます。
そう!この本は世界的な“笑”の文学ですね。
きっとなかなか読み通すことができないでしょうが、心にふかーく刻みます。
ちなみに、どこぞの“ぱるけえすぱーにゃ”なるテーマパークのマスコットでもありましたね。
Posted by: ねあ。 : April 30, 2006 5:41 PMドン・キホーテ、有名なのでお話を知ったつもりになってたら
そんな長編なのですね(@_@。いつ読めるだろうか。。。
あまりに有名で「ドン・キホーテのような」という比喩の表現もありますね。少なくともイタリア語には。
ちなみに、こちらではドン・キッショッテと呼ぶので最初何のことかわかりませんでした。
冒頭に引用されてるパブストだったか0.ウェルズだったか確かでないですが
ドン・キホーテとサンチョ・パンサが映画館の大きなスクリーンの幕(に写ったもの)を
むやみに斬りつけるシーンがものすごくよかったです。
テリー・ギリアムのジョニー・デップバージョン完成して欲しかった(涙)。
セルバンテスのとんでもない人生にもちろん驚きましたが
それに輪をかけて、サン・ジョルディの日がセルバンテスとシェイクスピアの命日で
ユネスコに認定されるような由緒正しいものだというの初めて知りました。
これが日本に導入されたとき、ちょうど書店でバイトしてまして
また〜、本屋連合の仕掛けかい!なんて冷めた目で見てたものですから(^_^;)。無知は恐ろしい。
しかし、セルバンテスって騎士道ヲタだったのですね。で書いたものが騎士道のパロディ(?)。狂気の人は目の付け所が違います!
★きみ駒さん。
セルバンテスは、それまでの文学が詩を中心としたものだったのに対して、
散文の威力を叩きつけた人なんだそうです。
ダンテの人生は、悲劇的なところまですごく詩的ですが、
セルバンテスは、まさに散文的人生。
悲劇の部分さえなぜか笑えてしまいます(;・∀・)
パンクですね☆
★ねあ。さん。
主催者ご苦労さまでした!
楽しい話題で、いろいろ思いついたのですが、
思い切っていちばんヘヴィな(?)ドン・キホーテにしてみました(笑)
セルバンテスの生き方から、やっぱりこの作品の破天荒さは生まれているんでしょうね。
新潮の新しい訳が読みやすかったです☆
★ねるさん。
ドン・キホーテは、近代小説の父といわれています。
一方で、ヨーロッパ近代小説は、ほぼ終わったとも言われ始めています(笑)
だから、ドン・キホーテもつまらないのかなと思ったら、とんでもない、
いまだにとてつもなく面白い。
なぜだろうと考えてみると、「アジア的なもの」のせいではないでしょうか。
イスラムの影響を深く受けていて、いろんなレベルで、ドン・キホーテはアジア的。
しかし、何より、セルバンテスの「中心」をさだめない、取りとめもない生き方、
猥雑で殺しても死なない生き方に、なによりアジアがある。
これは、近代文学が失っているパワーであり、ヨーロッパの「文明」が失っているパワーでもある。
いろいろ面白い問題をはらんでるドン・キホーテです。
それにしても、テリー・ギリアム版は残念。
彼は結局、グリムを作りました。
グリムも、また別なルートでアジア的なんですが(笑)
こんにちは。
>誰もがその名を知っており、ディスカウントショップが
その知名度を利用するほどでありながら、
ほとんど誰も読み通したことのない
まさしく、私がその通りであります。
それほどお下劣でお下品な内容とパワフルな作者であったとは、
不勉強の至りです。
ごたくを並べるより、これはすぐに読んでみなくてはなりません。反省。
★多摩のいずみさん。
ドン・キホーテ、ずっと前、古いほうの訳の岩波文庫で読んだ時は、いまいちピンと来なかったのですが、
今回、新潮の新しい訳で読んで、本当に面白いなと思いました。
ドン・キホーテは、フランケンシュタインとかシャーロック・ホームズなどとともに、
原作以上にキャラが一人歩きした例。
キリストやブッダもひょっとすると、そのタイプかもしれませんが(;・∀・)