ワルツさんが、夏の一枚として、Bill Evansの「You Must Believe in Spring」を紹介されてます。
You Must Believe in Spring
¥ 1,208 / Rhino/Warner Bros.
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通常24時間以内に発送
by AMAZ君(改)
とても美しくて…悲しみが底に流れる作品。
追悼版としてエヴァンスの死後に発表されたアルバム。
晩年のエヴァンスの苦境を思うと、美しさより悲しみの底深さが、強く響くかもしれない。
もともとちょっとおぼっちゃまだったらしいエヴァンス。人生を楽天的に考えることができる少年だったんじゃないかな。
三年間、軍隊生活して、それがずいぶんつらかったみたい。ジャズをやるようになるのは、このこともあるいは影響してるのだろうか。
歴史的名作「Kind of Blue」に参加。この頃、麻薬もおぼえる。どうしたことか、大切な人がまわりで次々死んでいく、後半の人生。
麻薬中毒もあり、晩年はずいぶん苦境にあったようです。
ちょっとさみしすぎるかなという向きには、エヴァンスで夏なら、これもいい感じじゃないでしょうか。
From Left to Right
¥ 1,208 / Universal
( )
通常24時間以内に発送
by AMAZ君(改)
From Left to Right.
左から右へ。ジャケットもそんな感じになってます。電子ピアノ(フェンダーローズ)に浮気中のエヴァンス氏(笑)
ジャズのピアノは、吹き物系の楽器から影響を受けて、ちょっと左手側に片寄ってたところに、エヴァンスのバランスのいいピアノが現われ、それが斬新だった…というのが、本に書いてあるエヴァンスの位置づけ。
ショパンやラヴェルの響きがあるエヴァンスのタッチは、右手も左手もバランスよく使う。From Left to Right.
政治的な意味合いもあるんでしょうか。60年代の暑すぎる夏に対して、もうちょいとゆるやかに、涼やかに。
このアルバムでは、ボッサ度も高め。…らしくねー(笑)
でも、この人ってほんとはこういう、ゆるいこと好きだったんじゃないかなとも思います。
指が鍵盤に触れる、そのタッチに喜びがある。
知的な印象が強いエヴァンスですが、ほんとはカラダの喜びを知る人だったのかもしれない。
いつも「緊張感」とか「リリシズム」とか言われるのだけれど。
Dolphinって曲が好き。ビフォーとアフターがあり。
アフターが、散髪し終えた後みたいに、気持ちいいです。
Soiree、それにChildren's Play Song。
夕暮れ時に聴くと、死ぬるように繊細です。やっぱりリリカル(笑)
これが、私には、エヴァンスかなぁ。
時々何もかも、音楽に結びつけて、考えてしまうことがあります。パラノイアックに。それはどうしようもないこと。何かを達成しようとすると、どうしてもそうなるんです。でも、そこから抜け出せないとしたら、それはよくないことだ。何であれ、そんなに支配されてしまうのはまちがっている。それは道を間違っているということだと思う。(ビル・エヴァンス ダウンビート誌 1960年9月)
+
晩夏。
ちょっと悲しい感じの曲も、あうのかな。
ふと浮かんだ一曲は、バカラックの、One Less Bell to Answer。
What the World Needs Now: Burt Bacharach Classics
¥ 1,409 / A&M
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通常24時間以内に発送
by AMAZ君(改)
Bacharachは、むかしは誰も発音できなかったらしい。
バキャラッチとか、バチャラッチュとか、ガッチャマンみたいな読み方されてたそうです。
bachはバッハだ。端的に読むと、馬鹿楽だし(;・∀・)
One Less Bell to Answer。バカラックで5曲えらぶとしたら、きっと入れたい曲。
ベルが鳴った(着信があった)のに、わたしは答えなかった。それが最後のベル。
答えなかった、たったひとつの、着信。
One less bell to answer
One less egg to fry
One less man to pick up after
I should be happy
My life’s so empty
バカラックの曲ではいつもそうなのですが、いろんなアーチストが取り上げています。
試聴できるのを選んでみますと。
■Very Best of the 5th Dimension…フィフス・ディメンションのバージョン。これが最初なんでしょうか。静けさがあって、いちばん好きです。
■One Amazing Night…Cheryl Crow。サビからの展開が繊細。
■Duets…劇的にも a House is not a Home につながっていBarbra Streisandのバージョン。デュエットですが、バーバラはバーバラ自身とデュエットしています。
■Everlasting Love…Vanessa Williamsが70年代のラブソングをカバーしたアルバムにも入ってます。演歌化していく。。
■What the World Needs Now: Burt Bacharach Classics…バカラック自作自演バージョン。歌詞が切り詰められ、回想するようなニュアンスがステキです。途切れ途切れの歌ってるのは、たぶんシシー・ヒューストン(ホイットニーの母、ディオンヌ・ワーイックのイトコ。)
バカラックは、詞から発想する作曲家のようです。
ハル・デイヴィッド時代と、奥さんのキャロル・ベイヤー・セイガーが作詞する時期(91年に離婚するのですが)、その二季に分けられそう。
バカラックには、いいめぐりあいがあり、それが彼の音楽を長く生き延びさせた。
+
余談。
お盆のあいだ、若い友人のお母さんお父さんというような人と話すことが、なぜかよくありました。団塊の世代。ベビーブーマー。
あの世代は、やっぱり音楽にくわしいと思った。
知識があるというより、カンがある。
ロックの黎明期から、いっしょに生きてきた世代。
音楽をスピーカーを通して聞くようになった最初の世代。ラジオやテレビ、レコードやCD。戦後のベビーブームと同期して超巨大市場となり、今日まで当然のように続く、新しい文化の形が出現した。
彼らが育つのにしたがって、ロックも成長してきた。
ロックとシンクロした世代。
何がすごいといって、例えば流行した曲をちゃんと時代順に並べることができる(笑)
ストーンズとボブ・ディランとエルトン・ジョンの曲を、時代順に並べろ…と言われると、個々のミュージシャンについてならわりとできるんですが、三つ混ぜると全然わからん私(;・∀・)
それがね、団塊の世代でよくロックを聞いてきた人は、きっちりわかったりする。
しかも、無理して暗記したんじゃなくて、時代の匂いと一緒に、自然に覚えてる。頭で記憶したんじゃなくて、カラダに刻まれてるというか。
その時代にあった事件や出来事、個人的な思い出とも一緒になっておぼえているのが、すごい。
また、どうしてそんな曲になったのか…その頃の他の流行の影響、曲の持っていた斬新さ・インパクト、そういうのを体験としておぼえてて、説明できる。
それは、あとの世代が勉強しておぼえた知識とは、ぜんぜんちがったものなんだと、つくづく思いました。
どんなに学者みたいに詳しくなっても、音楽にすぐれた感受性があっても、同時代を生きて刻んだ音楽の記憶にはかなわない。
若い友人で、ジャズなんかについて、断片的にいやに鋭い意見を吐くなと思ってたら、じつはオヤジさんの口伝えだったりするんですね。しかも、当人らには、その自覚がないみたいなのがオモロイですw
私たちの世代だと、アニメについてなら、同じようなことができるかもしれない。
新しい作品でも、数分見れば、なんとなくよしあしがわかるもの。
子供の頃からずっと見て育って、アニメ自体もいっしょに成長してきた。今作り手になってるのは、同じ世代の人たち。
よしあしを知る方法も、頭で考えた「リクツ」じゃないし、すべてを横並びに一覧して「感性」で選んだわけでもない。
体が覚えてる歴史、生きてきたさまざまな時代の気分が、作品のよしあしを教えてくれる。
もっといえば、べつに良くなくてもいいんだもの。これまでだって、いろんなものを雑食してきたんだし。何を今さら。
淀川長治は、映画について、そういう特権的な「目利き」だったんでしょうね。
ジャンルの黎明期を子ども時代にともに過ごし、そのジャンルといっしょに成長してくることの特権。
けなしすぎもせず、ほめすぎもせず。よしあし争いに、キーッとなることはなかった。「勉強」してきた評論家とはトーンがちがう。
+
時代のにおい。
その時をリアルタイムで生きて過ごすのと、あとから歴史を振り返るのは、まったく別物なんだと、強く感じました。
その世代がいなくなると、その時代はもう消滅するんだとも思った。
あとの世代がどんなに一生懸命調べても、それはぜんぜんちがったもの。
この夏は、戦争の話題もよくされてました。
子供の頃に聞いたような話と、なんとなくトーンがちがう。事実関係のちがいというより、話しぶりというか、口調というか、何かがちがっている。
戦後60年なんで、子供の頃に戦争を体験した人でさえ、もうお年寄りになってしまった。
今議論するのは、自分で体験したわけじゃない人たち。どうしてもリクツっぽくなるし、正しさ争いみたいになる。
体験してると、本当にあったことっていうのは、動かしがたい。
良いとか悪いとかじゃなくて、そうあってしまったのだから。
未来については反省できるけど、過去については受けとめるしかない。どんな言葉も思想も、代用品でしかない。
戦争は特別な体験ではなく、日常の中に不意に侵入してくる地獄。ただ、口ごもる。
Though I try to forget
It just can't be done.
Each time the doorbell rings
I still run I don't know how in the world
To stop thinking of him.忘れようとした
けれどそれは無駄なこと。
ベルが鳴るたび、私は
駆けつけてしまう。
どうすれば、あの人のこと思うの
止められるだろうか?
overQさん、こんばんは。
冒頭に!晴れがましくて、めっちゃ、光栄に思いました。(ありがとうございますー。)
夜は外で星を眺めてるとさすがに涼しくて気持ちが良くなってきましたが、昼間はまだまだありえない程暑いですね。こんな時は、こういう静かなアルバムに癒されています。
電子ピアノとアコースティックのピアノを弾き分けているエヴァンスのこのアルバムは聴いた事ありません。ボッサ度も高いのですねー。となると、この季節にぴったりそうですね〜。とっても楽しみです。(*^。^*)
エヴァンスの話題もですが、後半の団塊の世代がロックなど、洋楽と共に育っていったというのが面白かったです。プレスリーの音楽や、「ビートルズ来日」とかを肌で知っている世代だから重みがありますよね。
私たち(overQさん、一緒にしちゃっていい?笑)は、その後のロック百花繚乱時代だから、気がついたら周りに溢れていましたよね。
そういう意味で、黎明期を開拓した団塊の人たち、すごいと思います。
ワルツさんの記事に触発されて、エヴァンスのこと、ちょこっと書いてみました(それ以外のことも多いのですが…汗)。
アリガト!(´▽`)ございます。
みらくるさんも、このアルバムを聴かれたようで、今頃の時期にこの悲しみが染み入るセミの声。
エヴァンスって、印象派の影響が言われますが、印象派って題名のイメージをすごく工夫しますよね。
エヴァンスも、スタンダードナンバーの独特の「悲しい気分」の題名を、忠実にサウンド化しようとしたのかもしれません。
You Must Believe in Springも、完璧な題名になってて、エヴァンスの曲って題名がちがってたら、もっと違うイメージで受け取られる可能性さえあるかもしれません。
From Left to Rightは、Affinityと並んで、いわゆる隠れ名作。
エヴァンスは、マイルスと仕事をしてなかったら、ブルーベックとかみたいに「軟弱ジャズ」呼ばわりされてたかも(;・∀・)
私は軟弱系がすごく好きで、恥かしいですが、でも好き(笑)
ポール・デスモンドが好きなんですよ、硬派のジャズファンの前ではけっしてカミングアウトできない。
+
ビートルズ世代の方々は、ロックについて、ほんとに味わい深い耳を持っておられるなあ、と感じた夏でした。
生きて経験したことって、その後の「歴史」になるものとは、だいぶちがうんだ。
そんな当たり前と言えば当たり前なことに、今さら気づいて驚きでした。
たしかに、私たちの世代でも、「ちびまる子ちゃん」とか見てると、「作った昭和」だなと思う。
あとの時代の人向けに、わかりやすいように誇張され、取捨選択された戦後昭和。
でも、それは無理もないことだとも思うし。
「歴史」って、じつのところ、忘れていくもののほうがはるかに膨大なんだ…そんなことに気づいて、驚いています。
overQさん、こんばんは!
もう少し涼しくなったらまた快適に釣りが出来そうですね♪
これがoverQさんがお好きだという『From Left to Right』なのですね!
ジャケットのエヴァンスも渋くって素敵です。横顔美人?なのかも(*´∀`)
このアルバムはボッサ度が高いのですね。それはますます聴いてみたくなりました。
ジャズに興味をもったらボサ・ノヴァにもちょっぴり興味がわいてきたのです。
まだジャズを聴き始めたばかりなのであれもこれもと色々なアルバムを買って聴きたくなるのですが、じっくり聴くためにも一月にジャズのCDは3枚くらいと決めているので買う時はかなり悩みます。
overQさんのオススメCD、あるいはこんなCDを聴いていますというような記事今後も楽しみにしていますね☆
エヴァンスは、かなり男前の人☆
ヒゲを伸ばす前と、後があります(笑)
ヒゲなし時代は「美しさ」に迷いがなくて名盤が多いです。
ヒゲになってからは、迷ってるけど、それを楽しめると、すごく面白い。
ボサノバは、スタン・ゲッツのアルバムがメチャメチャに売れて、一年間くらい、すごくブームなるんです。
でも、ゲッツ以外のは、あまり売れない(笑)
…今となっては、ゲッツ以外のが、とても貴重です。
ゆるくて、リラックスしすぎたジャズって、その後の時代、「おくれてる」と馬鹿にされるんです。
でも、今になってみると、その「ゆるい系」がけっこう美しい☆
ジャズはアルバムの枚数が多すぎて、なかなか聴き始めが難しいんですが、
あまり期待しすぎず、行き当たりばったりで、「自分流」で行くのが、いちばんかもしれません。
じつはお盆で帰省してた時、ジャズのCDをいっぱい借りたので、
ジャズ関連の記事を、できれば書きたいと思っています!