春。
今日は今宮神社のやすらい祭に行ってきました。
花よ散るなと祈る春の祭。
この花の一節 のうちに百種 の
言ぞ隠 れる疎 ろかにすな万葉集・巻八 (1456)
やすらい。
鎮花祭、ともいう。
やすらへ、花。
やすらへ。
やすらえ…と、花の散ることを恐れた、いにしへの京の人々。
花の散る頃から、京の街には伝染病が流行した。疫病退散の祭。
ロンゲの赤髪の鬼が、ふたり。
あと、黒髪の鬼二人と、かわいい稚児の鬼さんこちら。
踊れ踊れと鬼たちが、鉦と太鼓を叩いて、コンチキチン。
舞う。回る回る。
これが念仏踊りとなり、やがてやがては歌舞伎ともなっていく、春のはじめの、季節のサカイの舞い。
折口信夫のとくに重要な文章、「花の話」はこの祭りについて、述べられたもの。
隠りのみ恋ふれば苦し撫でし
この花に咲き出よ朝な朝な見む万葉集・巻十 (1992)
隠れて思うこの恋の苦しいこと。
君も撫でたナデシコの花撫でて。
毎朝毎朝マイ朝咲く、この花。
君を見る。
「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」(芙美子)は、ここからの本歌取り(と思ってみる)。
やすらへ、花。散るな。
散るな、花。