AZ::Blog はんなりと、あずき色☆: QnapShots #009 「うだつを上げる」

QnapShots #009 「うだつを上げる」

written by overQ
April 2, 2007

無二膏

「うだつが上がらない」という言葉がありますが、どうやらこれがウダツ(卯建)らしいです。
軒のところに突き出した壁で、もとは防火の役だったらしい。
隣の家と軒つづきだと、どっちの家がうだつを上げるかで、格のちがいを見せつけたりできたのでしょうか。

これは江戸時代からの薬屋さんで、「無二膏」の看板にもなっています。
だいぶ装飾性の強いウダツ(もしかすると、ウダツではないかもしれない…汗)。

前に、テニスのウィリアムズ姉妹を髣髴とさせた、軒先の鬼姉妹がいましたが、あれも江戸時代からの薬屋さんでした。
どうやら薬屋というもの、ウダツを上げねばならなかったようです。
あっちはさらに装飾性が高くて、もとはおそらく上に看板が出てたんでしょうね。

ふたつを比較することから、帰納した結論です。
やはり正確なデータの比較からは、より科学的な結論が導けるのです。
いや、そんな大げさな問題ではないんですが(;・∀・)

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ようやくサイの神のシリーズも終わりにできそうな予感がしてきた今日この頃。
もうだいぶ書いてあるのですが、長いので、切ったりまとめたりするのが難しいところ。
ずうっとつながった、一連の話なのです。

思えばこのシリーズはあれだ。
カリオストロの城で、ルパンが屋根の上から仕掛けのロケットを落とすところ。
それを拾おうとするうち、仕掛けなしに自力で屋根から屋根へ飛び移るハメになるシーン。 *1

猿田彦シリーズも、あれとよく似ていて、最初は、秋だし京都のネタを書いて、そこはかとなく京都ブームに便乗しようとしただけなのに。
それが、どういうことか、屋根の急斜面を駆け下りることになってしまい、今やレヴィ=ストロースまで読む破目に。
ルパンとちがって、飛び移れてない感じがしますが( ;´Д`) *2

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最近は国男以外にもだいぶ手を広げつつあります。
わかったのは、これまで自分が見つけたことは、たいていとっくの昔に誰かが発見しているということ(;・∀・)
すごいと思ったのは、ブードゥーのレグバ神を道の神として、70年代に発見している山口昌男先生。
ロバート・ジョンソンが十字路で魂を売った悪魔…ということまでは書いてありませんでしたが、たぶん今ならそのことも知っておられるでしょう。

さすが山口昌男。
この世で知らないことはないにちがいない。そんな気がしてきました。
おそらくあなたのお尻のホクロの数まで、彼なら文献から探り出すことができるのです。本の魔術師。

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ふつうに読んで面白いのは、やっぱり柳田と、フレイザー「金枝篇」かなあ、というのが、今のところの感想。 *3
「金枝篇」は岩波文庫の簡約版よりも、ちくま学芸文庫単行本のほうがかえって読みやすい。
ファンタジーとか幻想物とかが好きな人、マンガや小説に書いてみたい人は、たいへん楽しめるはず。昔から幾多の作家を刺激してきたもの。
毎行ごとに、得体の知れぬ新奇なネタがあたたたたたたと繰り出し、唖然とします。

フレイザーは自分で出かけず、おうちでご本を読んだり、旅人たちの話を聞いて、ネタを集めた。ロッキンチェア・ディテクティブ。
この学問の発生は、探偵小説の発生と期を一にしていて、素朴な謎解き、頭脳派・書斎派から、足で稼ぐ汗臭い輩、ハードボイルドと展開、ありえん超絶天才から超複雑、掟の破壊、市場への浸透…と、同じような進化と拡散を見せます。

金枝篇も今読むと、推理よりか、個々のネタのほうが、ずっと面白いと言えそう。細部が持つ、全体を越える大いさ
順番に読まず、わざとランダムに、開いたところを読んでいくのも一興。フレイザーの意図した展開を散乱させたとしても、この本は書物として、すごいですから。
このネタの密度は本当にすさまじくて、当時の大英帝国はすごさがしのばれます。世界のすべてがそこに集結していたかのよう。
世界が滅びても、大英帝国さえ残ればそれでよかったのかもしれない…女王陛下万歳(;・∀・)

初版 金枝篇〈上〉 (ちくま学芸文庫)初版 金枝篇〈上〉 (ちくま学芸文庫)
ジェイムズ・ジョージ フレイザー
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*1 : 電撃フリントに同じシーンが出てきますが。しかし、これをパクリというならば、モンキーパンチにまで、まずさかのぼらねばなりますますまい。ジャケットを見よ。また当時の「漫画映画」の立ち位置も思う。はたして「引用」を禁止して、ルパン三世が存在しえなかった世界のほうが、よりよい世界なのだろかとも。
*2 : レヴィさんは、「親族」から「トーテム」「すみれ」「神話論理」と順番に読むのが、コツですね。やっぱりちゃんと読まんとダメです。ようやくちょっとわかってきました。たいへん膨大な労力の浪費です。。
*3 : でも、この「ふつうに読んで面白がる」態度は帝国主義的なものとして、断固粉砕脱腸接吻すべきでなければなさればならぬ…ということらしいです。逆に言うと、帝国主義的じゃない読み方をするのは、フツーじゃない労力が…例えばレヴィさんを読む労力とか…必要らしいっす。。


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コメント

レヴィとかフレイザーとかこれから読みたいなあと思ってたとこです。
「金枝篇」は岩波じゃない方がいいのですね。
教えてもらってよかった〜。
最近、『イエスの王朝』というイエスを歴史上の人物としてとらえた本や
『ローマ人の物語』や、日本に関しては出雲やら熊野に関する本を読んでます。
突然ですが、overQさんは、イスラエルの失われた10部族の一部が
日本に来たという説をどう思われます?
そういう話とか、日本の民俗学とか、もう自分でも何が知りたいのか
よくわからなくなってますが、以前、overQさんが、
本を読んで結局、何だかよくわからなくてもいいのだということを書いていらして、
それ以来、もやもやすることがイヤじゃなくなって、かえって楽しくなってきました。
overQさんはレヴィとか読まれて、最終的に到達したい目的のようなものが
おありになるのですか?

Posted by: LIN : April 2, 2007 10:42 PM

overQさん、おはようございます。
うだつ!
確かに、このうだつは、うだつとは言い難いかもですね。
岐阜県美濃市のPRに携わったことあるのですが、
美濃は、“うだつ日本一の町”なんだそうです。(ほんとーか!?笑)
正式なうだつは、家と家にたつもので、こんな感じです。
http://www.minokanko.com/3udatu/machi1.htm
江戸時代に栄えた形式のようですね。
上海で、このうだつが龍の形をしていたものをみました。
風水が根付いた中国ならではというか、いまでも動きそうな豪快な龍に圧倒されました。
・・・・でも、どこでみたのか失念・・・豫園かな・・・^^;

>これまで自分が見つけたことは、たいていとっくの昔に誰かが発見しているということ

程度こそ違えど、子供の頃からずーーーっと思っていました。
あの発見することの歓びって、いったい何なんでしょうね。

「金枝篇」おもしろそうなので、読んでみますね。

Posted by: pico : April 3, 2007 8:19 AM

★LINさん。

フレイザーは、情報のボリュームがすごいです。
自分で現場に出かけることなく、これだけの資料が集まる大英帝国のすごさを感じました。
レヴィさんは、めちゃめちゃ難しいので、読もうとしたら、十年くらい本格的に取り組む必要があるかもしれません(´ヘ`;)
読書というより研究ということになりそう。

民俗学は今は歴史研究に取り入れられて、新生面を切り開いているようです。
ふすまの裏張りに使われてる反故なんかまで調べて、
昔の細かい取り決めや商売の契約の書類なんかを調査していくと、
歴史的有名人以外の膨大な人々の動きが少し見えてくる。
そういうものを丁寧に拾い出して、歴史の実像を考えようとしています。
網野善彦さんとか(中沢新一のおじさん)。

おそらく史料としては、何ひとつ痕跡を残さなかった人たちもたくさんいて、数的にはそのほうが多いのでしょう。
人間も物も情報もすごく移動していて、どこがどこと直接間接につながってるかわからないです。

柳田国男は、民俗学によって、小説じゃなくて大説…つまり天下国家のことをやろうとしていました。
一方で、民俗学は巷の人々の小さな言葉(=小説)を集めるものでもあります。
この、いっけん矛盾した方法に、柳田の魅力が隠されています。
この話は長いので、また書ければ書いてみたいです。

Posted by: Site icon overQ : April 4, 2007 9:03 AM

★picoさん。

どうやら薬屋さんは、この形の看板を出していたみたいです。
江戸時代の風習だから、街道沿いの薬屋は、同じかもしれません。
ウダツじゃないとしたら、何か名前があるはずで、名前がわかれば検索できるのですが、
これはちょっとわからないですね。調べ方が思いつかないです(笑)

民俗学というようなジャンル、私はこの方面にわりと適性があったのかもしれません。
でも、のび太が拳銃の名手であって何の役にも立たないように、
今さらそんな適性があってもなあ…という気持ちです(笑)
ただ、この方面の本は読みやすくて、少し読めば、だいたい何が書いてあるか、カンが働くようになってきましたヽ(´ー`)ノ

Posted by: Site icon overQ : April 4, 2007 9:21 AM
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