ぼくらが少年のころ、SFがブームだった。
今ではちょっと信じられないけれど、SFと名がつけば、何でも売れる時代があったのです。
たら本40回でそのことを思い出した。ちょいと懐かしかった。
タナカさんや七生子さんが取り上げておられる、火浦功、佐藤哲也、田中啓文といった作家さんたち。
十代の頃がSFブームで、そのあおりを受けて作家になってみたら、ブームは去ってて、仕事がなかった世代。
だから、キャリアのわりに、作品数がじつに少ない。発表できる場所がなかったにちがいないw
けっこうたくさんいるんじゃないでしょうか、このジェネレーション(津原泰水もそうだ…みなさん、どうやって、生きてきたのだろう)。
奥さまはマジ (角川スニーカー文庫)
火浦 功
¥ 567 / 角川書店
( 1999-03 )
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蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)
田中 啓文
¥ 735 / 早川書房
( 2004-06-10 )
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沢蟹まけると意志の力
佐藤 哲也
¥ 1,325 / 新潮社
( 1996-07 )
by AMAZ君(改)
ひとつ上の世代の山田正紀さん。
ぎりぎりブームに間に合って、その分その後「逆境」を耐え忍ぶことになった(哀笑)
(SF書きたいよぉと思いながら)推理小説などを書くと、「昔はよかったよなあ」なグチがそっと出てきて。
それが読みたくて、山田正紀作品を愛読してたりする、ひどい読者です(汗
宝石泥棒 (ハルキ文庫)
山田 正紀
¥ 987 / 角川春樹事務所
( 1998-10 )
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by AMAZ君(改)
「隠れ日本SF作家」
そのようなものが、隠れキリシタンのように、出版業界には生息する。
SFといっても、彼らの「SF」は、科学や未来や宇宙とはあまり関係がないかしれない。その手のガジェットをダシにして、別な何かに触れるもの。
SFブームでSFのすそ野が広がった結果、狭義のSFではとらえられない、はるかに広大な未知の文学ジャンルが垣間見えてたのかもしれない。
狭義SFから、瓢箪に駒のように生まれし、広義SFが、存在した。
うちでは筒井康隆編「日本ベストSF集成」「実験小説傑作選」を取り上げたんです。
(「実験小説」といってる時点で、このジャンルがいまだ名前のつけられてないものとわかる。)
そこでのSFの定義は、すごく斬新なもの…「ハズれてる」といえるくらいw。
まだ人の手が触れたことのない、新しい文芸のフロンティアが存在するんじゃないか。。
今年の日本SF大賞は、最相葉月さんの「星新一 一〇〇一話をつくった人」に決まったそうです。
◆asahi.com:日本SF大賞に最相葉月さん - 文化・芸能
◆asahi.com:星新一 一〇〇一話をつくった人 [著]最相葉月 - 書評 - BOOK
星新一 一〇〇一話をつくった人
最相 葉月
¥ 2,415 / 新潮社
( 2007-03 )
通常24時間以内に発送
by AMAZ君(改)
星作品は直木賞の候補となっても、「人間が描けてない」と評され、受賞することはなかった。
星新一はむしろ意図的に「人間を描かない」。それを文壇・出版業界は評価しえなかったのではないか、という問題提起もはらんでいます。
いわゆるブンガクとは異なる、文芸の地層が存在する。星新一はブンガクの知らない地平から現れた遊星ではないだろか。。
最相葉月さんはブーム仕掛け人タイプのライターさん。
このヒトが星新一をとりあげるってことは、もしかして「日本SF」の逆襲があるのかなあ。
各出版社の編集も、「十代の頃がSFブーム世代」の人たちが中堅どころになり始めてて、実際、「SF」の企画があちこちに。
早川さんなんかも、こういう流れにあるんでしょうか。