スパゲッティをお昼に料理するのはヘンなんでしょうか

written by overQ

以前、村上春樹さんがタイム誌で読者質問に答えた記事について書きました。
村上春樹がタイム誌で読者の質問に答える | AZ::Blog
10 Questions for Haruki Murakami – TIME

その中でひとつ、ずうっと不思議に思ってることがあるんです。
四つ目の質問。
「西洋の文化を引用することで、物語にどんな影響がありますか(How do Western cultural references affect your stories?)」ってところ。
その答えで、春樹氏、

「作中人物に昼間っからスパゲッティを料理させてたら、西洋の読者からそれはヘンだよと言われました−なんで日本人は昼間からスパゲッティを料理するのって。」

When I write that my character is cooking spaghetti for lunch, some Western readers say it’s strange: “Why is a Japanese guy cooking spaghetti for lunch?”

え。お昼(for lunch)にスパゲッティ食べるのって、ヘン(strange)なの?

これがずっと疑問だったので、イタリア在住のねるさんにお尋ねしたところ、

スパゲッティ、昼に食べなくていつ食べるんですかっ(笑)。
いや、朝に食べるとおかしいだろうけど、昼、おやつ、夕、夜食、いつでもありだと思います。
最近、少しずつ生活習慣が変わってきてますけど、イタリアでは基本的に
昼にばっちり食べて、夕食は軽めという人が多いです。
スパゲッティ(パスタ全般)ってイタリア人の食事において定番中の定番ですから
メインの昼に食べるのは、日本人の定食にご飯がついてるのと同じくらい
当たり前のことだと思いますよ。

イタリアごろごろ猫記:Non solo "Miao" 「にゃあ」だけじゃない – コメント欄

と太鼓判を押していただきました。
ほら、やっぱり、昼間食べてもヘンじゃないじゃない。

いったい、どういうことなんだ(・∀・)
英文の読み取り、なんかまちがってますかねえ。(よく間違えるのは間違える私ですが…空耳アワーな英語ww)
日本人がスパゲッティを料理すること自体が、西洋化されすぎてて、strange…そう思う読者がいる…てなことは、いまさらないはずと思うんだが。いやあ、そうなのかなあ。
やっぱり、for lunch がstrange、というように読める。for lynchじゃないですしね(謎)

「ねじまき鳥」の冒頭、「泥棒かささぎ」を聴きながら、スパゲッティを茹でてると、電話がかかってくるってとこのこと。

それと。ねるさんは、「魔女の宅急便」を見たことがないらしいんですよ。そんな。
誰かDVD送ってあげなきゃ(∂_∂)
イタリアに住んでるネコ好きの人が、ゼッタイ見るべきものですもんね。


COMMENTS

COMMENTS

  1. 「魔女の宅急便」観たことないねるです。どうもすみません。
    どなたかDVD送ってください!←私も試しに言ってみます(笑)。
    先月帰国したとき気になったんですが、日本は安いものに溢れてる
    けど、DVDは結構お高いですね。
    もっぱらヤフオクで中古版をいくつかゲットしました。

    スパゲッティ問題、考えれば考えるほどよくわからなくなるので
    村上さんにメールしてお聞きしたいくらいですね。
    いつかどこかで、overQさん、彼に送ったメールのお返事を
    もらったとおっしゃってませんでしたっけ?
    既出のネタなんですが、イタリア人に「日本人って箸を
    使って食事するんだって」と憐れまれたことあります。
    別の人からは「日本?!ああ、まだひどい貧困で苦しんでる国だよね」
    と言われました。
    彼ら、春樹さんの小説を読んだりはしないだろうけど
    一応義務教育を終えたごく普通の人々なんです(^_^;)。
    ここでの日本についての知識ってその程度。
    日常的に何を食べてるのかなど、想像つかないのかも。
    中国人と同じもの食べてると思ってるんですよ、たぶん。
    あ、でも中国人は中華スパゲッティ食べるか…。

    「海辺のカフカ」を読み終えたんですが、猫は境目の言葉を
    しゃべるんだと、ある猫さんが言ってました。ふむふむ

  2. 「ねじまき鳥クロニクル」たぶん未読なのですが・・・。
    strangeなのは、日本男児がスパゲッティを料理しているから、なのでは?
    日本人なら自宅では日本食を食べて(調理して)いないとstrangeだ、と。
    日本人ならスパゲッティじゃなくて蕎麦や饂飩などの、
    ジャパニーズ・ヌードルを食していてほしい!
    できればミソスープも飲んでほしい!
    ・・・みたいな?
    日本食への憧れ?の裏返しのような反応なのかも?

  3. ★ねるさん。

    「魔女の宅急便」、お送りできればいいんですが、うちには現物がないですw
    お子さんのいる家には常備されてるし、図書館にもあったりして、所有して見るものではなく、シェアという感覚が。。
    おそらく日本の所帯数よりもたくさん出回っていると思われ、家に2枚以上ある方も少なくないくらいで、呼びかければきっと誰かが送ってくれるはず☆

    それにしても、スパゲッティの謎は深まるばかり。
    春樹氏は、誰でもわかることのようにさりげなく語っているので、さらに謎めいています。

    以前、村上春樹にメールで質問したときは、村上朝日堂というホームページがあったころ…そうだった、村上春樹にはホームページがあったんですよ、ネットの初期に。
    「読者に答える」という企画で、数百人くらい答えてもらったうちの一人です(^▽^)V
    たしか、みんなまとめて、「少年カフカ」という書籍にもなったんです。

    スパゲッティとロックバンドのradioheadを聴くという「異文化の取り入れ」が、村上春樹にとっては「他の文化圏」という意識がないのに、読者からは「それは異なる(私たちの)文化なのに」と思われる
    …このことは、村上文学の中心をなす問題ですね。
    村上春樹の登場は、ジャパン・アズ・ナンバーワン…プラザ合意で円高が進んで行く時代と一致してて、世界市場を席巻するマネーとしての日本と、どこかパラレル。
    この説は、どちらかというと、村上春樹を批判的に検討するときに出てくるんですが、やっぱりかなり的を射てると思います。
    たとえば、ウォークマンやニンテンドーの世界性と、村上春樹の世界性は、どの程度似ていて、どの程度違っているのか。。

    この頃、私はオバマにいたく興味があるのですが、あのグレートな人物の到来は、世界が分断され、たがいが他者になってしまった状況で、はじめて可能になる。
    アメリカ国内もさまざまな党派に分断し、アメリカの唱えた「新世界秩序」も世界のいたるところで拒絶されている状況。
    そして、何の実態もないマネーだけが、「世界共通価値」になっていて…それが暴落していく。

    オバマはたぶん、村上春樹的なものと正反対の位置にある。
    でも、春樹さんはかしこい男なんで、こういうことも彼なりにわかっていて書いていると思うんです。
    村上春樹というのは、いろんな意味で、アクチュアルに読まれるべき重要な作家なんだと。

    …って、長すぎましたね(・∀・)

  4. ★菊花さん。

    まず、strangeの力点が、どこにあるかが謎なんですね。
    考えられるのは、三つくらいあって…

    ・スパゲッティ(という西洋料理)を料理することがヘン。
    …とすれば、菊花さんの言われるように、「うどん」なら大丈夫ということになるはず。
    この説は、質問内容とあってるので、やっぱり当たりなのかもしれない。いやあ、でも、納得できないw

    ・男(guy)が料理することがヘン。
    …というマッチョな読者とそれへのからかいは、こんな何気な調子で村上春樹の口から出る話としてはありえそうにないですよねえ。

    ・スパゲッティを「お昼に」料理するのがヘン。
    …これがwestern caltureから見るとヘンだというふうに、私にはどうしても読めるんです。
    でも、これだと、ねるさんのお話では、そんなことはけっしてありえないようなんです。

    謎じゃ(・∀・)

    「ねじまき鳥クロニクル」の冒頭の部分なんですが、もともとは短篇「ねじまき鳥と火曜日の女たち」。
    「女」は複数形で題名に示され、「火曜日」という中途半端な空間に、行く当てもなく浮いている。
    住宅地の隙間、家々の裏側の、誰のものでもない、何の意味もない、行き止まり路地のような空間が、異空間になっている話。
    枯れてしまった井戸、誰からともなくかかってきて、よくわからないまま切れてしまうまちがい電話。
    …すべて同じ、宙ぶらりんさと、「どこか」への憧れを秘めた記号。

    世界の外へただよい出てしまう…「意味」を求めて…これが、やがてそのルーツを求める大長編「ねじまき鳥クロニクル」に成長していくんですが。

    スパゲッティとうどん。
    …といえば、村上春樹は、この仕事の前に、「さぬきうどん」を訪ねるルポルタージュを書いてます。
    今のさぬきうどんブームを作ったのは、たぶん村上春樹のこの長編エッセイが元です。
    「ルーツ(意味)を探求するクエスト」。
    その意味で、「ねじまき鳥」冒頭のスパゲッティは、じつは「さぬきうどん」クエストと深くつながってるんですね。
    「海辺のカフカ」でも、主人公の少年は、四国へ根っこを探しにいくわけだし。

    …そうか、そうだったのか。
    このコメントを書いているうちに、何かが解明できた気がします。

    …って、長すぎましたね(;・∀・)