パンドラは播磨にあった

written by overQ

あまりに暑いので、休日は滝めぐりをしています。
前の日曜は、柳田国男の故郷・福崎から少し北に上がったところにある、七種(なくさ)の滝に行ってきました。
落差が七十メートル以上もある巨大な滝で、すぐふもとまでクルマで行けるので、子供連れでも行きやすいところ。まあ、私は子供連れじゃないし、そのうえ、クルマでもなくて自転車ですがね。
…ともあれ、なかなか涼しくて気持ちイイです。
そんなに知られてないのか、たいして混んでないので、夏場のおすすめスポット。

七種の滝からは、七種山の登り口あり。
看板では30分くらいで山頂に到達するとあったので、登ってみました。

これがかなりハードな山道。
道というより崖で、張ってあるロープを伝って登るので、30分といっても非常に過酷な登山です。というか、30分で登ろうとすると、そうとうハイペースでノンストップで強行する必要があります。
カップラーメンも3分きっちりストップウォッチで測る私ですから、30分といわれたら意地でも30分で登りきるんですが、そんな息も絶え絶えに到達した山頂で、とんでもなく奇妙なものに遭遇してしまいました。

映画「アバター」の舞台、謎の星パンドラ
空中に浮く不思議な岩があり、樹木の根がかろうじで巨石をつなぎとめることで、特異な景観を作り出していました。
あれと同じものを、七種山頂に見つけたのです。

その名も、つなぎ岩
空中に舞い上がろうとする力で割れたものの、かろうじて樹木の根で「つなぎ」とめられている巨石。
ここからは、雲海が見おろせるくらいの、山また山に重なる山並みが見渡せます。

実際の標高はわずか670メートルということなので、じつはじわじわと岩が「浮く」ことで、この絶景がもたらされているのではないか。そんな気がします。
ほんとは下のほうで地面に接しているんですが、割れ目からのぞき込んでも下の方はよくわからず、やっぱり浮いていると思うと、わくわく。
断崖絶壁の巨石から、はるかな山並みを見渡していると、彼方から翼竜が飛来する予感がしてきます。

つなぎ岩の詩

おらは空より広い岩
おらは空より高い岩

そう思いしは、つなぎ岩
空に憧れし、奇特の岩なり

空に浮かばんと千年の祈り
高みにのぼらんと万年の思い

思いは軽み

浮かんだ
と思った瞬間
ぎぎぎぎぎぎ
あまたの後ろ髪を引かれる

思い願う心を宿した時から
すでに我が身は命
木々の根の脳幹が這い
虫たちが心の音を奏る

空に憧れる懐いもまた煩悩
命はしがらみ、思いは重み

天翔る夢想にひたる、つなぎ岩
彼を持ち上げたのは樹々の根
地を這うと同じに空を往くは羽虫の群れ

命につながれて
空より広く、高くあることを
千年と万年の思索の果て
いまだつなぎ岩は知らずにいる
短い命をつなぐものらはそう
ほほえむ


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