秋といえば京都
…という固定観念が、
いまや脳内に形成されてしまった観のある日本人。
そして、イメージどおりのパビリオンと化しつつある京の町。
しかし。
あなたの知らない京都が存在する。
そんなわけで、得体の知れない京都を紹介するシリーズ。
名づけて、
「魔所に行きましょ、秋の京都」
ためしてガッテンで小野文惠アナに
読んでもらいたいような題名になりましたが(-_-;)
ともあれ、第一回は、「広沢池の謎の人面石」
じつに京都らしい風情をただよわせる、
はんなりとしたお顔。
私は個人的に「どすえ様」とお呼びしています。
広沢池の南、堀川高校のグランド内。
祠があり、謎の人面石像が御鎮座まします。
・妖怪アンテナぴくぴく度 ★★★★★★★★☆☆
・不法侵入どきどき度 ★★★★★★☆☆☆☆
・ご利益&たたり(絶対値) ★★★★★★★☆☆☆
すぐ隣には、古墳の崩れたようなものも。
もとは広沢一号墳。
昭和31年の調査では、すでに中は荒らされて、
壊された石室の一部を採って、人面を刻んだものらしい。
◇平安京探偵団>>謎の石棺
「平安京探偵団」の団長さんの説では、
黄泉の世界(石室)のケガレがこの世にでてくるのを防止するために作られた、境界神である道祖神の像ではないか
とのこと。
激しく、同意いたします。
広沢池の周りは、とにかく「石」にまつわる異物がいっぱい。
古墳もそこらじゅうにあって、
古墳時代のあの巨石ブームの、
最後の砦が、この地だったと思われます。
チンマン王国がすぐそこなのも、けっして偶然ではないのです。
私は京都では、このあたりがいちばん好きな風景。
旅行者も少なめで、田園が広がり、古墳時代のランドスケープを彷彿。
空が広い。
広沢池は、秦氏の手が入った、灌漑池とも言われる、正方形の池。
水面に、小さな富士の形の山を映します。
平安時代には、遍照寺の地所。
面白いことに、現在の遍照寺の住職さんの苗字は、「生石」。
これも、けっして偶然ではなく、ここに石の文化・信仰があったことの名残。
今は、庭石をあつかう業者さんの広大な敷地が広がっています。
京都より長い歴史を持っておられるかもしれない。
近くの児(ちご)神社には石の椅子があって、そこに座ると安産できると言い伝えられる。
遍照寺の寛朝大僧正が経を読むとき、いつも現れた謎の子供がいて、
その子が座っていた椅子だといわれています。
「石=母胎」で、そこは死と再生とつかさどる、サカイの場と考えられていたらしい。
人面石像は、たぶん児神社の「稚児」と同じものでしょう。
私はもう、五回くらい、座りました。すっかり安産体質(男性)。
【道しるべ】
人面石像「どすえ様」にお会いするには、
野蛮な高校生たちが奇声を上げ、
野球やラグビーに興じるなか、
グランドを突っ切る必要があります。
「不審者だ、殺せ、殺せ」視線を猛烈に浴びつつ、
飛んでくる吹き矢をよけながら、
グランドの一番端っこ、
バックネット裏の雑草ぼうぼうの東北隅へ。




