「つい、うっかり」
…というのは、いたくフロイトの興味を惹くものだったようです。
錯誤行為、と精神分析では呼ばれます。
うっかり…偶発的におこなっているように見えて、
じつは無意識の意図がある。
そう勘ぐってみるのが、フロイトのやり口。
でも、古代から人は、何となくこのことに気づいていたらしい。
悪魔(=神)は最初、「つい、うっかり」の形で、囁きかける。
「魔がさす」という。
事件のあと、当事者から発せられる「つい、うっかり」は常套句。
それに運命もまた、
「つい、うっかり」の姿で来訪する。
神様は「つい、うっかり」な仕方で、世界を設計したのだから。
天網恢々,疏にして漏らさず。


