AZ::Blog

AZ::blog Home >>

岩神、大井子、あははの辻。

  

Like A Rolling Stone

西陣の岩上神社

西陣のとある一角。
最近区画が整備され、新築の家が並ぶ、この地に、
高さ2メートルほどの巨大な岩が、にょっきりそそり立つ。
綱を巻かれ、神として祀られています。

岩神さま
お乳の出がよくなるのが、ご利益。たぶん女神さま。

さまざまな来歴を経て、この地にやってきた。
京の民は、ことのほか、この岩神さまに感心があると見え、
その複雑な来し方は文献からたどることができます。

西陣にいらっしゃる前は、今出川門の南、
江戸時代、八条殿があったあたり、路上に転がされていた。
というのも、これを禁裏の後水尾院の築山の立石としたところが、
禿童(カムロ=カッパ)と化して夜行する、吠えるなどの妖怪事。
道に放られたあと、寛永のはじめ、西陣に祀られたらしい。(「菟藝泥赴」)

庭石にされる以前は、中山神社に祀られていた。
中山神社は、二条城の南、岩上通りにあります。
「岩上」というのは、もちろん岩神さまのこと。
この神社は、以前はもう少し北、
今は二条城の東北辺にあたる場所にあった。


大きな地図で見る

二条大宮、通称「あははの辻」のあたり。
冷泉院があり、
そもそも岩神さまはそこに祀られていたもの。

瓜生石の謎

  

瓜生石、キュウリ、牛頭天王


大きな地図で見る

瓜生石(うりゅういし)。
知恩院前の道路のど真ん中に、ご鎮座まします神の石。

知恩院より古い由来を持つ。
貞観2年(860年)6月14日の深夜のこと。
この石に一夜にして瓜(キュウリ)が生り、
牛頭天王が宿った、というもの。
その後、牛頭天王の新霊は今の粟田神社に移られた。

「牛頭天王」の文字が表面に浮かんだとか、異説もあるけれど、
これは桃太郎やかぐや姫・瓜子姫と同様、
「うつほ」に神が宿りつくことなので、
実のうちに宿ったとみるのが正統。*1

八坂神社の紋はキュウリの輪切り

素盞嗚尊こと牛頭天王を祀る八坂神社の紋は、
輪切りにしたキュウリの断面をかたどったもの。
粟田神社では、神輿を瓜生石の上に置いて、神を宿らせる行事が、
明治まではおこなわれていたそうです。
ちょうど、少将井の井桁の上に神輿を置いて、
神を宿らせるのと、ペアになってる感じです。


¶ Footnotes:
  1. 一夜にして実がなるのも、
    「一夜で子を孕む」タイプの神話のパターン。
    ペンタメロンのペルオントと同系。 []